IFRS適用、大手製薬の武田、小野が表明、自民党も推進
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:05/17/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 大手製薬会社の国際会計基準(IFRS)を巡る動きが活発だ。国内売上トップの武田薬品工業は5月9日、小野薬品工業は同13日、2014年3月期末決算から任意適用することを明らかにした。昨年12月表明の中外製薬、本年2月表明のアステラス製薬、そして、報道ベース(第一三共、エーザイ)も含めると、6社を数える。

 適用理由をみると、武田は「~グローバルでの事業活動を強化していくことを背景に、欧米同業他社との財務情報の比較可能性の向上、資金調達の選択肢の拡大、およびグループ内での会計処理の統一等を」。一方、小野は「~外国人投資家の割合は、~本年3月末現在でも約3割~。国際的なスタンダードに基づく財務情報の開示により比較可能性を向上させ、株主、投資家や取引先など様々なステークホルダーの~利便性をはかることを」挙げている。

 現在、日本のIFRSへの対応は、金融庁・企業会計審議会で検討され、「IFRS任意適用企業の積み上げを図ること」でほぼ合意をみている。当局の人事異動前の6月にも任意適用要件緩和などが示される予定だ。この方向性を与党・自民党が後押しする動きもみられる。同党の日本経済再生本部は5月10日、「中間提言」を公表、その中で「国際会計基準の利用の拡大について、更なる推進を図る」ことを打ち出した。夏に向け、IFRSを巡る動きは大きく変わりそうだ。