消費増税再延期で車体課税改正等も先送りへ
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:06/13/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 安倍首相が消費増税の再延期を表明したことが7月の参院選の争点になっているが、その影響は地方税にも及んでいる。

 自治体にとっての直接的な影響は地方消費税収見込みの減少だが、それだけにとどまらない。消費税率10%への引上げを前提に廃止が決まっていた自動車取得税は、廃止時期が増税の実施まで先送りとなりそうだ。

 また、その代替税源として創設されることになっていた自動車税と軽自動車税の環境性能割も事情は同様だ。その場合、現行のエコカー減税がどのように継続されるのかはまだ不透明で、自治体や自動車ディーラーでは、すでに税率引上げを前提としたシステム変更の準備などに着手しているとされており、まさかの再延期に不満も高まりそうだ。

 そのほか、消費税率10%段階で実施されることになっていた地方法人課税における税源偏在の是正措置にも影響が出る。予定されていたのは、法人住民税法人税割の税率引下げや地方法人特別税の廃止と地方法人税の税率引上げで、偏在を放置すれば地方創生の掛け声とは裏腹となり、こちらも地方から批判が起こりそうだ。

 国会は参院選を控えて会期通りに閉幕したため、消費税率引上げの再延期を決める税制改正案の審議は秋の臨時国会になる。増税時期をめぐる首相の翻心が地方税制にどう影響するか、着地点に注目だ。