骨髄提供者への奨励金は一時所得と文書回答
カテゴリ:02.所得税, 12.国税庁関係 トピック
作成日:04/21/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 関東信越国税局はこのほど、(公財)日本骨髄バンクに骨髄を提供した人へ交付する奨励金の所得区分についての栃木県大田原市から事前照会に対して、見解のとおり一時所得として差し支えないとする文書回答を行った。

 大田原市では、同市在住者が日本骨髄バンクへ骨髄を提供し、同バンクが発行する証明書の交付を受けた者(ドナー)を対象に奨励金を交付する予定で、奨励金は事前の健康診断及び自己血貯血に係る通院や骨髄等採取のための入院のほか、同バンクが必要と認める通院・入院とその面接を行った場合に、通院等に要した日数に応じて1日当たり2万円(上限7日14万円)を支給する。

 照会を受けた関東信越国税局では、同奨励金には、ドナー登録手続きの際の交通費や骨髄等の提供における会社等を休んだ際の休業補償等の逸失利益の補償としての性格も含まれるとの疑問が生じるが、通院等の日数に応じて一律の金額を交付されることや支払われたその使途に制限はなく、生活費や遊興費など各自の自由裁量で使用することができると指摘。

 このことから、「実費弁償や逸失利益の補填としての性格は有していない」と考えられると説明するとともに、「ドナーの善意に基づき無償で行われるもので、営利を目的としていないことは明らかであり、その性質上、繰り返し行われるものでもない。そして、ドナーによる骨髄等の提供は、大田原市に対して行われるものではないので、ドナーの行った骨髄等の提供と本件奨励金は対価関係にない」と判断した。

 その上で、本件奨励金は、営利を目的とする継続的行為から生ずる所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものであることから、一時所得に当るのではないかとする同市の考え方で差し支えないと回答した。

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