法務省、会社法案で容易になる企業防衛策を明らかに
カテゴリ:14.各省庁関係 トピック
作成日:03/04/2005  提供元:21C・TFフォーラム



 法務省はこのほど、3月15日に国会へ提出予定の会社法案(仮称)に、外国企業などの敵対的買収に対応しうる、欧米並みの防衛策を盛り込んでいることを明らかにした。それによると、改正後の会社法で実現が容易になる防衛策は、次のとおり。


1)

 買収者の議決権比率を低下させる(いわゆるポイズン・ピル)。
 

2)

 友好的な企業に拒否権付株式等(いわゆる黄金株)を発行しやすくする。
 

3)

 合併の承認等についての株主総会の決議要件を加重させる。
 
 1)は、会社は、現行法でも、一定割合以上の株式を買い占めた買収者の株式を強制的に取得して、議決権制限株式に転換したり、取得対価として金銭を交付したりすることができる種類株式を発行することができる。改正後は、既に発行している普通株式をそのような防衛策対策の施された種類株式に転換するための手続を設ける。


 また、改正後、買収者が一定割合以上の株式を買い占めた場合には、買収者の新株予約権は消却され、かつ、買収者以外の株主には自動的に株式が発行されるような新株予約権を発行することもできる。

 2)は、現行法でも、友好的な企業に対して、拒否権付株式や複数議決権株式を発行可能だが、譲渡制限の対象を、すべての種類の株式としなければならず、使い勝手が悪かった。改正後は、一部の種類の株式だけの譲渡制限も容認する。

 3)は、合併の対価が譲渡性の低い外国株式等の財産である場合には、合併の承認の要件が通常の合併よりも加重され、議決権を持つ株主の半数以上(頭数要件)で、かつ、総議決権の3分の2以上、(株主総会に欠席した株主の議決権も母数に算入)の賛成を必要とする。また、合併の承認や取締役の解任についての株主総会の決議要件を、定款でさらに加重できるようにする。