地方税の制限税率が撤廃へ
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:12/15/2003  提供元:21C・TFフォーラム



 政府・与党は、地方自治体の財政力強化のために、12日までに地方税の制限税率を撤廃する方針を固めた。また、自治体が独自に課税する法定外税についても、総務大臣の同意を必要とする現行制度を改め、原則自由とする考え。いずれも17日の税調答申に盛られるとみられている。

 現在、地方税法では法人事業税や固定資産税などに制限税率が設定され、納税者への過重な負担を規制しているが、撤廃されれば自治体が自由に税率設定できる。ちなみに、現在の法人事業税の制限税率は標準税率の110%、固定資産税は標準税率の1.4%に対して2.1%。だが、現実には納税者の反発を恐れて標準税率以上の負担を課す自治体は少なく、財政難にあえぐ大阪府が法人府民税(均等割)の超過課税を実施しているのが目立つ程度だ。

 しかし、一方で課税自主権強化は自治体のスローガンであり、これ以上ない袖を振れない国にとっても、財源調達への自助努力を促すいいきっかけとなる。11月27日の政府税調「中間報告」も、地方分権を推進する観点から「法定外税にかかる国の関与のあり方について検討を進めるとともに、制限税率の見直しなど地方の税率設定の自由度の拡大を図るべき」としている。

 だが、増税の引き金になるこの制度が導入されれば、国民や経済界からの反発は必至だけに、自治体側にとっては実施の判断が難しい規制緩和となりそうだ。