商法と税法では異なる開業費の償却期間
カテゴリ:01.法人税 トピック
作成日:04/22/2004  提供元:21C・TFフォーラム



 景気の回復や、商法改正によりいわゆる「1円会社」の設立が可能となったことにより、新設企業数も増加傾向にあるようだ。企業の設立に際しては莫大な開業費を要するのが通常だが、商法と同様、税務上においても、開業に要した費用は「開業費」、すなわち繰延資産として取り扱われることになる。

 ところで注意したいのは、繰延資産の償却方法は、商法と法人税法では異なっているということである。商法上、繰延資産の償却期間は「開業から5年以内」とされている。これに対して、法人税法では、「繰延資産の額」とされている。要するに、繰延資産の額を限度として任意に償却することが認められるわけだ。

 したがって、一時償却もできるし、採算が見込まれるまで数年間にわたって償却することもできる。ベンチャー企業などでは、開業から数年は赤字が続くことが珍しくない。こうしたケースでは、開業費を数年にわって償却した方が有利といえる。