所得拡大促進税制は創業期ほど使える
   
作成日:06/21/2013
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■所得拡大促進税制がスタート

平成25年度税制改正で、従業員の所得を一定以上拡大したときに法人税が減税される「所得拡大促進税制」が創設されました。

この制度は、個人の所得水準を底上げする観点から、従業員への給与などの支給額を、基準事業年度から5%以上増加させる等の条件を満たした場合に、支給増加額の10%(中小企業等の場合、法人税額20%を限度)を法人税の税額控除として申請できる税制です。

雇用者を増やした場合に適用が受けられる、従来からある「雇用促進税制」とは選択適用となっていますが、雇用促進税制のように「事前の届出」や「会社都合離職者がいないこと」などの要件はありません。


■適用要件

この所得拡大促進税制は、平成成25年4月1日から平成28年3月31日までの期間内に開始する各事業年度(個人事業主の場合は、平成26年1月1日から平成28年12月31日までの各年。以下「適用事業年度」)において、国内雇用者に対して給与等を支給し、以下の3つの要件を満たした場合、雇用者給与等支給増加額の10%の税額控除ができる制度です。

ただし、控除できる税額は、その適用事業年度における法人税又は所得税の額の10%(中小企業等の場合は20%)が限度となります。

【要件(1)】
雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が5%以上であること

【要件(2)】
雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以上であること

【要件(3)】
平均給与等支給額が比較平均給与等支給額以上であること



基準雇用者給与等支給額とは、平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度の前事業年度の雇用者給与等支給額をいいます。
 


比較雇用者給与等支給額とは、適用事業年度の前事業年度の雇用者給与等支給額をいいます。
 


平均給与等支給額とは、雇用者給与等支給額から日々雇い入れられる者に係る金額を控除した金額を、適用事業年度における給与等の月別支給対象者(その適用事業年度に含まれる各月ごとの給与等の支給の対象となる国内雇用者のうち日々雇い入れられる者を除きます)の数を合計した数で除して計算した金額をいいます。
 

■創業期ほど使える

では、今年設立したような会社では、適用は受けられないのでしょうか。

これに対しては、以下のような手当とともに適用可能となっていますので、税額控除の適用忘れのないようにしましょう。


Q:

平成25年4月1日以降に新たに事業を開始した場合の基準雇用者給与等支給額はどのように計算するか。

A:

事業を開始した事業年度の雇用者給与等支給額の70%に相当する金額とします。
 

Q:

平成25年4月1日より前に事業を開始していたものの、国内雇用者に対して給与等を支給していない場合の基準雇用者給与等支給額はどのように計算するか。

A:

基準雇用者給与等支給額は1円とします。

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