相続直前のマル秘対策
   
作成日:07/01/2016
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■相続税の課税対象は「被相続人の財産」です

当たり前のことですが、相続税の課税対象は、「亡くなった方である被相続人の亡くなった時に所有していた財産」となります。

自宅を夫婦で1/2共有しているのであれば、夫が亡くなった時の相続税の課税対象は、自宅×1/2です。

であれば、夫の生前に、妻や子供や孫に、どんどん名義を変えていけばいいのでは?と考える方もいるかもしれません。

名義を変えることは基本的にOKなのですが、税務的にはそこに、「贈与税」が発生します。

贈与税には年間110万円までなら非課税という枠があるのですが、この110万円贈与の盲点は、相続開始前3年以内の贈与は、原則、相続税の計算上は無かったことになってしまうのです!

つまり、相続開始前3年以内贈与は、原則、相続税の節税にはならないということです。

■3年以内贈与には対象外がある!

この相続開始前3年以内贈与には、実は、その制度の対象外となる贈与が大きく3つ存在します。

(3年以内加算の対象外となる特例贈与)

1.贈与税の配偶者控除特例
⇒ 婚姻期間20年以上の夫婦間での居住用不動産贈与、最高2,000万

2.住宅取得等資金贈与
⇒ 直系尊属からの住宅取得等資金贈与で、最高1,200万円

3.教育資金贈与
⇒ 直系尊属からの教育資金一括贈与で、最高1,500万円

これら3つの特例贈与は、例え結果的に亡くなる直前の贈与になったとしても、その贈与が相続税の節税となってくれるのです!

■組み合わせればスゴイ節税が!

妻が健在で、子供3人孫6人とします。

亡くなる直前に、夫の意識がきちんとあるという前提で下記を実行します。

・自宅を妻に2,000万円分贈与

・今年家を建てる予定の子供孫が2人で、1,200万円×2人=2,400万円贈与

・教育資金に使う前提で子供孫6人で、1,500万円×6人=9,000万円贈与

合計すると、2,000万円+2,400万円+9,000万円=1.34億円の贈与実行

1.34億円×55%(最高税率)=約7,300万円の節税!
(贈与税の配偶者控除特例は、登記費用等に注意)