日本の財政は末期症状-1
   
作成日:08/19/2011
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■日本の財政は末期症状(フローの話)

クライアントとの雑談の中で日本の財政について聞かれたので、改めて資料などを見直してみました。

借金収入 約44兆円
借金返済 約11兆円
(利息支払 約10兆円)

差し引き 約33兆円の借り越し

(出所)
財務省「日本の財政関係資料」平成22年8月
http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/sy014_22.pdf
(1ページ、2ページ)

ちなみに、税収は37兆円ほどですので、国にとっての売上である税収より借金による収入(44兆円)のほうが多いことになります。

しかし、これは単年度のフローの話(会社の決算書でいうところの損益計算書又はキャッシュフロー計算書)ですから、過去に大きな収入がある等の場合は、単年度で33兆円の借り越しでも特に問題なしとなるかもしれません。

そこで、次に今までの国の財政の累積であるストックを見ていきたいと思います。


■日本の財政は末期症状(ストックの話)

平成23年6月に同じく財務省より「平成21年度『国の財務資料』について」と題するレポートが公表されています。
http://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/national/fy2009/2011_03.pdf

そのレポートによると、平成21年度末における国の資産及び負債の状況は、「資産合計」は647.0兆円(前年度比△17.7兆円)、「負債合計」は1,019兆円(前年度比+36.8兆円)で、資産と負債の差額である「資産・負債差額」は△372兆円(前年度比△54.6兆円)となっています。

なんとびっくりたまごろう、372兆円もの債務超過となっているではありませんか!!

これは、会社の決算書でいうところの純資産の部が△372兆円ということです。

前に見た時(いつだったか忘れましたが)より随分と債務超過の額が大きくなっているように感じたのですが、まさにその感覚は正解だったようで、ここ数年先述のように単年度のフローで大赤字を出していますから、それが積み重なってまさにワニの口状態で赤字拡大の一途をたどっているようです。


■家計にたとえたら

もーここまで見てきたらわざわざ家計に例える必要もないかもしれませんが、「兆」という単位が実感としてわきづらいかとも思いますので、上記財務省資料より以下ご覧ください。

<1か月分の家計にたとえた場合>

1世帯月収40万円(税収+税外収入48兆円)

必要経費総額77万円(一般会計歳出92.3兆円)
 内、家計費45万円(一般歳出53.5兆円)
 内、田舎への仕送り15万円(地方交付税等17.5兆円)
 内、ローン元利払17万円(国債費20.6兆円)

不足分=借金37万円(公債金収入=借金44.3兆円)

ローン残高6,370万円(公債残高637兆円)

つまり、国を月収40万円の家計にたとえると、「1か月当たり37万円の借金をして毎月の家計を成り立たせ、6千万円強のローン残高を抱えている」ということです。

異常な緊急事態です。


続きは次回にて。