ポテチ税とは?
   
作成日:09/21/2011
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■肥満防止で「ポテトチップス税」?

インターネットを閲覧していたら、こんなニュースが飛び込んできました。

共同通信 2011.9.2
 

肥満防止で「ポテトチップス税」 ハンガリー、糖分高い食品に課税

ハンガリー政府は1日、国民の肥満防止を目的に、スナック菓子や清涼飲料水など塩分や糖分が特に高い食品に課税する通称「ポテトチップス税」を導入した。

ハンガリーは財政再建を進めており、政府は税の導入で、毎年7,400万ユーロ(約81億円)の税収を見込んでいるという。

欧米メディアによると、包装された市販のケーキやビスケットなども対象で、1キロ当たりの課税額はポテトチップスが200フォリント(約80円)、包装されたケーキ類は100フォリント。

ハンガリーの政治家はフランスメディアに「不健康な食品を取るべきではないというメッセージを消費者に送りたい」と説明している。

一方、地元経済団体は税導入で国内の複数の工場が閉鎖され、多数の従業員が解雇される可能性があるとしている。
 
 

■塩分や糖分が特に高い食品が課税対象

日本でも最近、国民の健康を守るという観点も踏まえて、たばこ税の増税が一部報道されましたが、流石に肥満防止にポテチ税導入検討などの話は、聞いたことがないですね。

報道によると、正確には、ポテトチップスに限らず、「スナック菓子や清涼飲料水など塩分や糖分が特に高い食品」が課税対象のようです。

また、どれくらい課税されるのかというと、「1キロ当たりの課税額はポテトチップスが200フォリント(約80円)、包装されたケーキ類は100フォリント(約40円)、清涼飲料水は1リットル当たり4フォリント(約2円)とのことですから、標準サイズのポテチで、値段が約1~2割上がるようです。

税収アップ額は約81億円とのことですから、日本とは財政規模の違いはありますが、かなり小さめの税収規模といえます。

また他の報道では、「闇ルートで、ポテチが出回ると懸念する声もある」とのことです。


■財政再建は、先進国共通の課題

ハンガリーのように、財政再建を急がないといけない国が、実は先進国で急増しています。

財政再建は、何も日本だけの問題ではないのです。

新聞報道で一躍有名になったのはギリシャですが、それ以外にも、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアなども財政危機です。

これらの頭文字をとって「PIIGS」といい、豚(PIG)にかけた造語も産まれています。

また、アメリカも8月には国債がデフォルト=債務不履行になるかもしれないというニュースが大々的に流れました。

アメリカやヨーロッパの一部からは、「富裕層課税」導入の動きも出始めています。

こういった世界的な動きの中で、同じ財政危機を抱える日本が、今後の財政再建の道筋を早くに示すことができれば、そのこと自体が日本再浮上のきっかけになるかもしれません。

もちろんそのためには、消費税を中心とした増税や、医療や年金等の財政支出削減が必須の条件となりますが。

またその時には、今やパンドラの箱と化している「(選挙権を確実に行使する)年配でお金のある方への課税強化又は給付抑制」という観点(世代間格差の是正)は特に重要です。

今日産まれて来た可愛いベイビーが、何故金持ち年寄りの負債を肩代わりしてあげないといけないのか、これはおかしいと思います。