平成24年度税制改正は、あっさり決定!-2
   
作成日:04/20/2012
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。

○相続税の連帯納付義務の緩和措置

相続税の連帯納付義務について、次の場合には連帯納付義務を解除します。

イ 申告期限等から5年を経過した場合(ただし、申告期限等から5年を経過した時点で連帯納付義務の履行を求めているものについては、その後も継続して履行を求めることができることとします)

ロ 納税義務者が延納又は納税猶予の適用を受けた場合

(注)上記の改正は、平成24年4月1日以後に申告期限等が到来する相続税について適用します。ただし、同日において滞納となっている相続税についても、上記の改正と同様の扱いとします。

○特定の資産の買換えの場合等の課税の特例の要件厳格化

特定の資産の買換えの場合等の課税の特例における長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えについて、次の買換資産の見直しを行った上、その適用期限を3年延長します(所得税についても同様)。

イ 土地等の範囲を事務所等の一定の建築物等の敷地の用に供されているもののうちその面積が300平方メートル以上のものに限定します。

ロ 貨物鉄道事業用の機関車の範囲から入換機関車を除外します。

○国外財産調書制度の創設

その年の12月31日において価額の合計額が5千万円を超える国外に所在する財産を有する居住者は、その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書(「国外財産調書」)を、翌年3月15日までに、税務署長に提出しなければならないこととします。

(注)上記の改正は、平成26年1月1日以後に提出すべき国外財産調書について適用します


■サラリーマンを含めた皆に影響のある項目

○給与所得控除の上限設定

現在の給与所得控除は、給与収入に応じて逓増的に控除が増加していく仕組みとなっており、上限はありません。

しかし、給与所得者の必要経費が収入の増加に応じて必ずしも増加するとは考えられないこと、また、主要国においても定額又は上限があること等から、給与収入が1,500万円を超える場合の給与所得控除額については、245万円の上限を設けることとします。

なお、役員給与等に係る給与所得控除については、税率構造を含む改革の方向性を踏まえ、引き続き検討していきます。

(注)上記の改正は、平成25年分以後の所得税及び平成26年度分以後の個人住民税について適用します。

○役員退職手当等に係る退職所得の課税方法の見直し

その年中の退職手当等のうち、退職手当等の支払者の役員等(役員等としての勤続年数が5年以下の者に限ります)がその退職手当等の支払者から役員等の勤続年数に対応するものとして支払を受けるものに係る退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置を廃止します。

(注)「役員等」とは、次に掲げる者をいいます。
1 法人税法第2条第15号に規定する役員
2 国会議員及び地方議会議員
3 国家公務員及び地方公務員

(注)上記の改正は、平成25年分以後の所得税について適用します。個人住民税は、平成25年1月1日以後に支払われるべき退職手当等について適用します。