『社会保障と税の一体改革』はすべての人に影響大-3
   
作成日:02/10/2012
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。


■消費税を平成26年4月から8%、27年10月から10%

ちょっと長々と「税制抜本改革の基本的方向性」等についてお伝えしましたが、では具体的にどのようは税制改正を予定しているかを次から見ていきましょう。

まずは消費税率の引き上げについてです。

1.税収の使途
消費税の収入については、別に法律で定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。

(注1)上記の改正は、平成26年4月1日から適用する。

(注2)消費税収(国分)の使途については、予算等において明確化することとし、その具体的な方法については引き続き検討を行う。

2.税率の引上げ
消費税の税率を次のとおり引き上げる。
(イ)平成26年 4月1日6.3%(地方消費税と合せて8%)
(ロ)平成27年10月1日7.8%(地方消費税と合せて10%)

(注1)上記の改正は、平成26年4月1日((ロ)については平成27年10月1日)以後に行われる資産の譲渡等及び保税地域から引き取られる外国貨物について適用する。なお、工事の請負等について所要の経過措置を設ける。

(注2)法律成立後、引上げにあたっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応できるよう、消費税率引上げ実施前に「経済状況の好転」について、名目・実質成長率、物価動向など、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、引上げの停止を含め所要の措置を講ずるものとする旨の規定を設ける。


■消費税の課税の適正化

消費税については、税率の引き上げ以外にも、下記の消費税の課税の適正化措置を予定しています。

1.事業者免税点制度
(イ)資本金1,000万円未満の新設法人に関する免税点制度について、5億円超の課税売上高を有する事業者が直接又は間接に支配する法人(親族、関連会社等を含めた資本の持分比率が50%超の会社)を設立した場合については、その設立された法人の設立当初2年間については、課税事業者とするなど現行の資本金1,000万円以上の新設法人に対する措置と同様の措置を講じる。

(ロ)(イ)に該当することとなった場合の届出書の提出などについて所要の措置を講じる。

(注)上記の改正は、平成26年4月1日以後に設立される法人について適用する。

2.簡易課税制度
簡易課税制度のみなし仕入率については、今般、同制度に関する実態調査を行ったところ、業種によっては、みなし仕入率の水準が実際の仕入率を大幅に上回っている状況にあることが確認された。今後、更なる実態調査を行い、その結果も踏まえた上で、みなし仕入率の水準について必要な見直しを行うものとする。

3.中間申告制度
(イ)中間申告義務のない直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含む)が60万円以下の事業者のうち、自主的に中間申告を行う意思を有する事業者について、任意の中間申告(年1回・半期)を可能とする制度を導入する。

(注)上記の改正は、平成26年4月1日以後に開始する課税期間に係るものについて適用する。

(ロ)消費税の中間申告(年1回、3回又は11回)に係る確定消費税額の最低額については、消費税額と地方消費税額を合わせた額を現行の最低額と同一とすることを基本として調整する。


次回に続きます。