人への投資に対する減税措置、平成25年度税制改正
   
作成日:03/21/2013
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■人への投資に対する減税措置の背景

わが国の誇る多様な人材の潜在力を引き出すことが「成長による富の創出」につながります。

このため、「個人の可能性が最大限発揮され雇用と所得が拡大する国」を目指し、税制面からも新たな施策を講じます。

具体的には、雇用の一層の確保及び個人所得の拡大を図り、消費需要の回復を通じた経済成長を達成するため、労働分配(給与等支給)を増加させた場合、その増加額の一定割合の税額控除を可能とする所得拡大促進税制を創設するとともに、雇用促進税制を拡充し税額控除額を引き上げます。


■所得拡大促進税制の創設

青色申告書を提出する法人が、平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、その法人の雇用者給与等支給増加額(雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額を控除した金額)の基準雇用者給与等支給額に対する割合が5%以上であるとき(次の1及び2の要件を満たす場合に限る)は、その雇用者給与等支給増加額の10%の税額控除ができることとします。

ただし、控除税額は、当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)を限度とします(所得税についても同様)。

なお、この規定については中小企業者等に限り住民税においても同様とします。


1.

雇用者給与等支給額が前事業年度の雇用者給与等支給額を下回らないこと
 

2.

平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を下回らないこと
 

(注1)雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度(雇用促進税制)、復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度、避難解除区域等において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度又は立地促進区域において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度との選択適用とします。

(注2)国内雇用者とは、法人の使用人(法人の役員及びその役員の特殊関係者を除く)のうち法人の有する国内の事業所に勤務する雇用者をいいます。

(注3)雇用者給与等支給額とは、各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいいます。

(注4)基準雇用者給与等支給額とは、平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度の直前の事業年度(基準事業年度)の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいいます。


■雇用促進税制の拡充

雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度(雇用促進税制)について、税額控除限度額を増加雇用者数1人当たり40万円(現行20万円)に引き上げるほか、適用要件の判定の基礎となる雇用者の範囲について所要の措置を講じます(所得税についても同様)。

なお、この規定については住民税においても同様とします。


(注)今回の内容は、国会を通過するまでは正式な決定事項ではありません。今後の動向によって、内容が変更になる可能性がありますのでご注意下さい。