傷病手当金について教えてください!
   
カテゴリ:人事労務
作成日:09/30/2008
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 今日は守田先生がいらっしゃってリエちゃんと打合せをしています。そこへ亀井工場長がやってきました。

亀井工場長
「実は、工場の社員で腰を悪くした人がいてね。休みの日、庭仕事をしていたときに痛めたらしいんだけど、しばらく入院せざるを得ない状況のようなんだよ。」
 


リエ
「それは大変ですね。長引きそうなんですか? 確かこういう場合に健康保険から給付があるんじゃなかったかしら。守田先生いかがですか?」
  
守田
「そうですね。その方、入院ということになると、当然しばらくは仕事も休むことになりますよね。傷病手当金の支給要件に該当するかもしれません。傷病手当金とは、健康保険の被保険者が、業務外の病気や怪我の為に働くことができず、会社から十分な報酬が受けられない場合に被保険者とその扶養親族の生活の安定を図るために支給することになっています。支給要件は次の4条件を全て満たすことが必要です。

1)

療養中であること

2)

仕事に就けないこと

3)

4日以上仕事を休んでいること(引き続く3日間の待期期間を満たし、4日以上休んだ場合に、その4日目から支給)

4)

給料の支払がないこと(賃金が傷病手当金より少額である場合は、差額支給)」
 

亀井工場長
「なるほど。有給休暇は使ってしまっているようだから、すぐにでも傷病手当金の申請をしたいところだね。支給額はいくらぐらいになるのですか?」

 
守田
「傷病手当金の額は、休業1日につき標準報酬日額の3分の2相当額。支給期間は同一の怪我や病気について支給開始日から1年6ヵ月の範囲となります。」

リエ
「申請に際し、会社がやるべきことや注意すべきことは何かありますか?」

守田
「傷病手当金支給申請書には、(1)医師等の意見書及び(2)事業主の証明が必要となります。事業主の証明とは、出勤状況や賃金の支払状況について会社が証明することになります。申請書は社会保険事務所(組合管掌の場合は健康保険組合)に提出します。賃金台帳等の確認書類を求められますので、事前に確認しておくと良いでしょう。また、支給開始日から1年6ヵ月分支給されるわけではないことに注意が必要です。」

リエ
「どういうことですか?」
 


守田
「傷病手当金は、同一の怪我や病気について、支給を開始した日(通常は休業開始4日目)から起算して1年6ヵ月までの間で支給されます。この起算日から1年6ヵ月を経過すれば、その間の出勤、欠勤の日数にかかわりなくその病気や怪我についての傷病手当金は打ち切られることになります。」
 
リエ
「なるほど。」

亀井工場長
「具合が悪くなってしまったものは仕方ない。しっかり休んで早くよくなって欲しいよ!」