非上場株式の評価額(時価)を計算する方法
   
カテゴリ:税務
作成日:10/07/2003
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 自社株の現在の評価額を調べるように社長から指示された旭課長が、会計事務所の黒田さんに相談を持ち掛けました。
 


旭課長
「黒田さん、ちょっと相談にのってくれませんか。」

黒田
「はい、何でしょう。」
 
旭課長
「社長からの相談で、我が社の株の価値が今いくら位なのか知りたいということなんですが…。」

黒田
「なるほど、そうですね社長から息子さんへの事業承継のこともありますし、相続の問題もありますからね。」

旭課長
「ええ、社長もその辺を考えてのことのようです。」

リエ
「でも、株の価値ってどうやって計算するんですか?何か計算方法が決められているんですか?」


黒田
「はい、市場で実際に売買されている上場会社の株などは、その市場における株価がそのままその株の価値ということになるんですが、市場で売買されないような株については、その価値の目安となるような金額を計算する方法が決められています。」

 
リエ
「どんな方法なんですか?」

黒田
「実は結構ややこしい計算なので、なかなか口で説明するのは難しいのですが、簡単に言うと、その会社が所有している財産から負債を差し引いた純資産価額や、利益、配当などを参考に計算する方法です。」
 


リエ
「う~ん、よく分かりませんねぇ。」

旭課長
「つまり、財産を一杯持っていて借金が少ない会社や、利益をたくさん出せるような会社はその計算方法で株の価値を計算すると、価値が高くなるということですよね。」
 
黒田
「おっしゃるとおりです。」

リエ
「あ~なるほど、言われてみればそうならないとおかしいですもんね。」

黒田
「それと、これは当然ですが、この計算方法は贈与税や相続税を計算するうえで必要なものであって、あくまで時価の目安ですから、実際に売買する時には当事者間で決めた価格が、その売買契約上は有効になります。ただし、この目安となる金額よりも著しく高い若しくは安い金額で取引がされた場合は、実質的に贈与であると判断されて、売買であっても贈与税が課されてしまうようなこともありますので、やはり売買の時にはこの計算方法で計算した金額を無視することはできないというのが実情ですね。」

旭課長
「そうでしょうね、ところで、計算をするのに何か必要なものはありますか?」

黒田
「はい、まず御社の所有する土地や建物の相続税評価額を算出する必要がありますので、路線価図、固定資産評価証明書が必要ですね。」

リエ
「何か難しそうなので、私はこれで失礼します。」