給与計算の控除と納付の関係
   
カテゴリ:税務
作成日:01/20/2004
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 12月の年末調整の結果、源泉所得税の預り金がマイナスになりました。
 


リエ
「1月に納付する源泉所得税はありませんが、この場合、納付書はどうすればいいのですか。納付額がある場合は、お給料の源泉税の合計と税理士先生などへの報酬の源泉税を納付書に記入して、金融機関へ提出していますが…。」
 
旭課長
「納付すべき源泉所得税がない場合は、金融機関で扱ってくれないので、税額に0(ゼロ)を記入して、税務署に直接提出するんだよ。マイナスの金額は、納付書の摘要欄に控除未済額として記入すればいいよ。」

リエ
「給料計算では、源泉税の他にいくつか控除がありますが、納め方がそれぞれ違うので、お給料から控除したものが合っているかどうか不安になります。どのようにチェックすればいいでしょうか。」

旭課長
「まず、社会保険料だけど、給料で控除するのは介護保険を含めた健康保険料と厚生年金保険料だね。当月に会社が納付する社会保険料は、給料から控除した保険料に、同額の会社負担分と児童手当拠出金を加えたものになる。当月納付すべき社会保険料は社会保険事務所からお知らせが届いているので、それと給料計算の控除分を次のように照合してみる。
当月納付の社会保険料=(当月給料から控除した健康保険料+厚生年金保険料)×2+児童手当拠出金
ということになる。ただし、給料から控除する社会保険料の金額は0.5円単位なので、切り捨て誤差はあるけどね。」

リエ
「雇用保険も給料控除がありますが、これはチェックできますか。」
 

旭課長
「雇用保険は給料の金額によって料率が定められているので、それを控除するけど、納付は年に1回または3分割なので、毎月の給料からの控除分を納付と照合することはできない。通常、納付のときは法定福利費として全額費用計上している。給料から控除した雇用保険料は預り金として計上し、決算のとき、その合計を法定福利費に振り替えて、納付で費用計上した分を減額している。」

 
リエ
「特別徴収の住民税は、各市区町村から会社に1年分まとめて毎月の納付額が知らされているので、給料から控除した金額と照合することができますね。」

旭課長
「ただし、従業員が退職したときは、その分を納付額から差し引くことが必要だよ。また、退職による一括徴収・納付の場合があるので、その場合は、別に計算する必要があるね。」

リエ
「はい、これで給与計算の控除と納付の関係がわかりましたので、少し安心して計算できます。」