2010年4月、アメリカのGoogleが、検索順位を決定するアルゴリズムのひとつに、 ・ページの表示速度 を加えたと発表しました。 ▼米Googleの告知ブログ記事(英語) http://googlewebmastercentral.blogspot.com/2010/04/using-site-speed-in-web-search-ranking.html 「ページの表示速度」というのは、 ・検索結果をクリックしてから、 ・そのページのコンテンツを完全に読み込むまでの時間 のことで、この時間が短ければ、上位表示につながる要素(の一つ)となります。 ただし、今のところアメリカのGoogle(google.com)だけが対象で、日本のGoogle(google.co.jp)には影響ありません。 もちろんこれは、Googleが検索順位の判定に利用する「200以上」の要素のうちの1つですから、ページの表示速度が速いだけで上位表示されるわけではありません。 皆さんも経験があると思いますが、ある単語で検索をしたときに一番理想的なのは、探している情報の載っているページが1位に出てくることですよね。 しかし現実にはそうではなく、探している情報が載っているページにたどりつくためには、検索結果のリンクを何度もクリックしなければなりません。 その結果、必要な情報が得られるまでに時間がかかってしまいますから、これを少しでも解消するためには、 「ほとんど同じ内容のページなら、表示速度が早い方がいい」 というわけです。 ◆インターネットユーザーは「せっかち」 ところで、インターネットユーザーはとにかく「せっかち」です。 実店舗で何かを買おうとしたとき、複数のお店を比較して「はしご」することはありますが、次のお店への移動時間がかかりますから限界があります。 それに対してインターネットのホームページは「クリックひとつ」で違うページへ次々に移動できますから、そのページを見るかどうかの判断に要する時間はごくわずか。 一般的に、ページが表示されるまでに「8秒以上」かかると、他のページに移動してしまうと言われています。 最初のページで、無意味なアニメーションや大きな写真を掲載して表示に時間がかかると、結局誰も見てくれない、ということになりかねないのです。 表示に時間がかかるコンテンツとしては、 ・Flash(フラッシュ) ・動画 ・大きな画像 などがあります。 ブロードバンドが普及し、昔に比べればインターネットの接続環境はよくなっていますが、それでもやはり表示速度は重要です。 たとえばFlashを読み込むのに30秒もかかったあげく、入口のページだけが表示される、といったものは、多くのユーザーに好まれません。 ◆その動画、本当に必要ですか? もちろん、これらのコンテンツがすべて「悪」であると言いたいわけではありません。 そのコンテンツがアクセス者にとって必要なものであれば、設置しても構わないのです。 しかし、間違えていただきたくないのは、その画像なり動画なりが、 「本当にアクセス者のために掲載されているのか」 ということです。 弊社の会員さまでも「動画を掲載したい」といったお問合せは多いのですが、掲載する前にもう一度、 ・その動画や画像などを掲載する目的 をじっくり考えてみましょう、とお話ししています。 ホームページに画像や動画を掲載したからといって、アクセスが増えたり問合せが増えたりするわけではありません。 ここのところを間違えると、ホームページはうまくいかないのです。 将来、日本の検索エンジンが表示速度を検索アルゴリズムに導入するかどうかは今のところわかりません。 しかし、検索アルゴリズムがどう変わるかに関わらず、せっかちなインターネットユーザーにとってストレスのないページを作ることは、今も昔も変わらず重要なことなのです。 |