第158回 宝石がネットで売れる?(その2)
(2010/04/23)

 今回は、前回お話しした弊社会員さまの事例、

「なぜ、ホームページ経由で宝石を売ることができたのか?」

の第二弾です。


◆前回のおさらい

 前回、うれしの金賞堂さんが成果をあげられた勝因は、

・同じ地域の同業他社よりも早く、SEO対策をきちんと行い、内容の充実したホームページを作った

という点にあるというお話をしました。

 ネットの活用が遅れている業界や地域では、同業者よりも早く、質の高いホームページを作れば、独り勝ちすることができます。

 なぜなら、ライバルより早く、きちんとしたホームページに取り組むことで、

・ライバルより早くSEOの成果が出て、検索エンジンに上位表示される

という状態になり、サイトへのアクセスを集めやすくなるからです。

 また、アクセスしたホームページの内容が充実していれば、

・他社と比較された場合も、ホームページの内容が充実しているので、他社に全く負けないため、ホームページからの反応を得られやすくなるのです。

 うれしの金賞堂さんの場合、まだ同じ地域できちんとホームページに取り組んでいる同業者がいないため、検索エンジンで簡単に上位されています。

 また、ライバルのホームページよりも内容が充実しているため、信頼できる企業であるとお客さんに感じてもらえます。

 その結果、お便りにあるような、問い合わせや来店につながったのです。

 さて、うれしの金賞堂さんのホームページが、宝石の販売につながった勝因は、実はもう一つあります。


◆ホームページで、来店に誘導する

 そのもう一つの勝因とは、

・ホームページ上で直接「宝石」を販売しようとしないで、まずは「宝石リフォーム」で来店に誘導した

という点です。

 高額商品を扱う企業でよくある失敗パターンは、

・いきなりホームページで「高額商品」を売ろうとする

ことです。

 ホームページで「高額商品」を販売するには、相当のノウハウやテクニックが必要です。

 そうしたノウハウやテクニックがない状態で高額商品を販売しようとしても、なかなか成果がでません。

 そうした場合におすすめしたいのは、

・販売を目的としたホームページではなく、来店や訪問につなげるためのホームページを作る

という考え方です。

 ホームページで高額商品を販売するのは難しいですが、アクセスした人に

・来店してもらう
・電話で問合せしてもらう

のは、それほど難しくありません。

 そして、

・来店してくれたお客さんや、問い合わせしてくれたお客さんに、
・今まで通りの、対面営業を行う

のです。

 ホームページで高額商品を販売するためには、「ネット販売」という新しい営業スタイルを身につけなければなりません。

 でも、来店や電話営業といった今まで慣れ親しんだ営業スタイルに持ち込めれば、自分の得意な方法で営業できますから、比較的簡単に成果を出すことができるのです。


◆フロントエンド商品とバックエンド商品

 さて、ここまでの考え方はご理解いただけたとして、次に問題になるのが、

・どうすれば、ホームページにアクセスした人を、来店や問合せに誘導できるか

という点です。

 一般に、「高額商品」をホームページ経由で販促する場合、

・来店や問合せに誘導するために、「低価格」の商品・サービスをホームページで紹介する

という手法がよく使われます。

 いきなり高額な商品を売り込むのではなく、ホームページでは低価格商品をアピールすることで、問い合わせや来店の敷居を下げることを目指すのです。

 一般に、お客さんにアピールするための低価格商品を「フロントエンド商品」と呼びます。

 これに対して、本当に販売したい高額商品は「バックエンド商品」と呼ばれます。

 そして、高額商品をホームページで販売する場合は、

1)低価格な「フロントエンド商品」を見せ球に、お客さんからの問合せをもらい、来店に誘導する。

2)実際にお客さんが来店したら、「バックエンド商品」である本当に販売したい高額商品をおすすめする。

という流れが成果を出しやすい営業パターンです。

 うれしの金賞堂さんの場合、

・フロントエンド商品 : 宝石のリフォーム
・バックエンド商品  : 宝石の販売

でした。

 うれしの金賞堂さんのホームページを見ていただくと、決してホームページで高額な宝石を売り込もうとはしていません。

 トップページでは、

「当店はジュエリーリフォーム・加工に自信があります!」

と、宝石のリフォームをアピールし、来店に誘導しています。

 「宝石のリフォーム」は2千円程度〜ですから、宝石の販売に比べると、とても低価格です。

 しかも、リフォームを依頼するためには、実際にお店に足を運ぶ必要があります。修理を頼みたい宝石を実際に店頭まで持参しなければいけないわけですから、来店にもつながるのです。

 こうして、「低価格」で「来店」にもつながる「フロントエンド商品」として、宝石のリフォームに力をいれているのです。

 実際、いただいたお便りによると、

 突然、店頭に「HPを見たんですが、ジュエリーのリフォームを相談したいのですが・・・」というお客様がご来店されました。

 しかも、店頭の宝石とリフォームで、250,000円のご注文をいただきました。

ということですから、フロントエンドとしての「宝石のリフォーム」をきかっけに来店されたお客様に、バックエンドとしての「宝石」をおすすめして、結果的に25万円の売上につながったのです。

 このように、

・低価格で来店につながりやすい「フロントエンド商品」をホームページに掲載する。
・そのフロントエンド商品に興味を持ったお客様に、問合せや来店してもらう。
・実際に来店してもらえたら、本当に売りたい「バックエンド商品」を対面でおすすめする

という営業プロセスが、高額商品の場合はおすすめです。


●高額商品の販売のためには

 以上、2回に渡って、「ホームページを活用して、地域で高額商品を販売するポイント」をご紹介しました。

・同じ地域の同業他社よりも早く、SEO対策が施された、質の高いホームページを用意する。
・ホームページ上で高額商品を販売しようとせず、フロントエンドの低価格商品を通じて、問合せや来店に誘導する。

 このようなホームページを作れば、きっと御社もうれしの金賞堂さんのように、高額商品の販売につながるホームページを作ることができると思いますので、ぜひ、参考にして下さいね。