第122回 できる社長のHP活用講座 4
(2008/06/13)

 今回は人材の採用についてお話ししたいと思います。


●WEB総研の採用の経緯

 このたび役員に就任した柴田が、1号社員として弊社に来たのは2002年の4月のことでした。

 それから丸5年が経過して、弊社の社員は10名を超えるまでに成長しました。

 この間、ずっと社員の採用には悩み続けて今に至っています。

 中小企業にとって人材採用は、社長さんの悩みのトップ3に必ず入る難しい問題ですが、弊社にとっとも例外ではありません。

 優秀な人材を確保すべく、この5年間、試行錯誤を繰り返して来たのですが、本当に人材採用は難しいとしみじみ思います。

 現在の在籍は11名なのですが、今までに、採用したものの、退職した人が同じくらいの人数います。

 退職した人の理由は様々で、健康を損ねてしまったり、家庭の事情で辞めてしまった人が3割くらい。

 採用の段階で、「この人は問題ありそうなんだけど、今は猫の手も借りたいから、目をつむって採用しよう」と、採用基準に達しない人を無理して取ってしまい、でもやっぱり駄目だった、というのが2割くらい。

 残りの5割については、「弊社の価値観と合わなかった」ことによります。


●大企業と中小企業の採用の違い

 大企業の採用と、うちのような中小零細企業との採用の違いで思うのが、

・大企業は、その会社の社風(価値観)にあう社員が、自然と集まってくる

ということです。

 大企業に就職しようと考えている人は、それが新卒であれ中途であれ、事前にその企業のことを研究します。

 またその会社のカルチャーについても、何となくイメージが世の中に存在します。

 従って、応募する人も

・自分がその会社に合いそうかどうか

即ち、

・その会社の価値観が自分にあっているかどうか

を考えた上で応募してくるのです。

 一方、中小企業の場合は、こうした情報がありません。ほとんど無名な会社ですから、その会社の価値観がどんなものか、応募する人には分からないのです。

 そのため入社してから、「こんな会社だとは思わなかった」と感じるケースが、中小企業は多いわけです。


●能力や経験より、まずは価値観

 従って中小企業の場合は、「この人は我が社の価値観を受け入れてくれるか」というのを事前に充分見極める必要があります。

 いくら優秀な人であったとしても、会社の価値観と合わなければ、決してその人は戦力なってくれないのですから。

 私の今までの採用の経験(その多くは失敗の経験ですが)に照らしても、面接の段階で、

「この人はうちの価値観と合わなさそう」

と思った人は、大抵長続きしません。

 能力よりも、経験よりも、「価値観」で人を選ばないと駄目だ、ということですね。

と言うわけで私も試行錯誤中ですが、御社も「価値観」をベースに採用を考えてみては如何でしょうか。