今回は、少し手前味噌ではありますが、私自身の起業の経験を踏まえ、 「会社を成長させるための、経営者の心構え」 についてお話ししたいと思います。 ●ロケットスタートの予定が・・・ 私が前職の野村総合研究所を退職し、株)WEBマーケティング総合研究所(当時の社名は、中小企業IT振興会)を設立したのは、2002年の1月の事でした。 それからちょうど5年が経過した訳ですが、いま改めて当時を振り返ってみると、独立当初、経営者として自分がいかに甘かったか、ちょっと恥ずかしくなる位です。 今でこそ、それなりに名前も知られるようになりましたし、社員もだいぶ増えたのですが、ここまで来るのには本当に山あり谷ありでした。(私のプロフィールに、この変の裏話を書いていますので、ご興味あればご一読下さい。) 吉本のプロフィール 何が甘かったかというと、独立前に立てた事業計画が全くもって問題外だったのです。 独立前にExcelで色々と売上等の数字をシミュレーションしたのですが、その計画が左下から右上にかけて、売上が急上昇する「一直線」の事業計画でした。そのグラフを見ながら、一人悦に入っていたのです。 が、現実はそんなに甘くありませんでした。 左下から右上に「急上昇」するどころか、ほとんど売上が「ゼロ」の線を「水平」にウロウロするようなグラフになってしまいました。 当初の計画のグラフの角度が「45度」くらいだとすると、現実の角度は「0度」だったという感じだったのです。 ●そんな時に読んだのが・・・ こうした、ほとんど「角度0」の「水平線」の売上グラフを見ながら、悪戦苦闘した日々が1年半ほど続きました。 そんな時に出会ったのが、 「成功曲線」を描こう。 という書籍です。 この本を読んで、自分自身、今の状況をどう捉えればよいのか、ストンと腹に落ちたので。 私が当時、何を間違っていたかというと、グラフの書き方でした。 先ほどもご説明したように、私が立てた計画というのは 左下から右上に角度45度で「一直線」に伸びるグラフ でした。 ところがその「一直線」の計画と比較して、実際の売上は、 0のすぐ上をウロウロしている「水平」のグラフ となっていたのです。 つまり私の立てた計画は、 全てが順調に計画通り推移する前提のグラフ なのに対して、実際は ほとんど計画通りに進まずに、試行錯誤が続いているグラフ となっていた訳です。 ●成功曲線とは この「成功曲線を描こう」を読んで一番感銘を受けたのが、 ・成功は「一直線」に成し遂げられるものではない ・最初は「水平」に、それが徐々に角度がついてきて、やがては「急上昇」していく という「成功曲線」の考え方でした。 おわんを横からみると、底から右側に徐々に角度がついて滑らかなカーブを描きます。 「成功曲線」もこれと同じなのです。 最初は「水平」のグラフで、自分自身が成長している実感がほとんどありません。 右上に一直線に伸びるグラフと比較すると、毎日「計画との乖離」は広がるばかりです。 日々悪戦苦闘を続けるものの、そのグラフの角度はほとんど水平のままで、多くの人はこの段階でギブアップしてしまいます。 しかし「成功曲線」の理論によると、最初は必ず「水平」なのです。 最初から「一直線」に成長するのではなく、「水平」の状態で努力を続けることで、徐々に角度がついてくるのです。 そして最後には、その角度が急カーブを描いて、自分の当初描いていた成功の到達点」に辿り着くことができるのです。 ●水平を嘆く必要はない この「成功曲線」の理論を読んで、肩の荷が下りたのが、 「一直線」の計画通りに行かないこと、すなわち「一直線」のグラフと「水平」の乖離が日々開いていることを、気に病む必要はない という事でした。 「最初は誰でも“水平”なんだ」ということが理解できれば、「なぜうまく行かないんだろう」と悩む必要はありません。 最初は誰でも水平なのですから、最初から覚悟を決めて水平の時期を乗り越えればいいのです。 この水平の時期を乗り越えれば、やがて徐々に角度がついて来るのですから、それを信じて毎日を地道に努力すれば良いわけです。
ちなみに、なぜ成功曲線が「水平」なのか、そしてその水平のグラフがなぜ徐々に角度がついてくるのか、という理論的な説明はこの本の中に詳しく書かれていますので、そちらをご参照下さい。 当時の私と同じように、今苦労している方は、この本を読むときっと目の前がパッと明るくなると思いますよ。(^^)V |