今回は普段と目線を変えて、 ・仕事の「仕組み化」と「システム化」 についてお話ししたいと思います。 ●大企業の「仕組み化」 「システム」の話というと、多くの経営者には「よく分からない」分野の一つだと思います。 システム投資というものを誤解している社長さんが少なくないのですが、システム投資の目標は 「仕事を仕組み化すること」 にあります。 大企業と違って多くの中小企業では、仕事のやり方がなかなか「仕組み化」されていません。 仕事の生産性や成果が担当者のスキルに依存してしまい、担当者によって仕事のアウトプットに大きな差がある場合が少なくないと思います。 一方、大企業の場合は「仕事の進め方」が仕組み化されていて、担当者によるバラツキが最小限に抑えられています。 例えばマクドナルドでは、どこの店舗でも同じおいしさのハンバーガーがでてきますし、接客レベルも一定のレベルを保っています。アルバイトの人が多いにも関わらず、こうした品質が確保されているのです。 またセブンイレブンの場合なら、大量のアルバイトを雇用しているにも関わらず、各店舗の日商は平均70万円、月商にすると2,000万円を超えています。 商売のノウハウがほとんどないアルバイトの人でも、月商2,000万円を超える売上をあげることができるのです。 どちらのケースも、「仕事の仕組み」があるから、アルバイトを雇用しても素晴らしい成果をあげることが出来ています。 特定社員のスキルに依存するのではなく、「仕組み」で業務を回しているから、経験の浅いアルバイトでも一定レベル以上のアウトプットが出せるのです。 ●「仕組み化」するとこんなメリットが・・ ところで仕事の「仕組み化」というのは、アルバイトを活用するためだけにあるのではありません。 アルバイトでもこなせるくらい仕事が「仕組み化」されると、こんなメリットがあります。 ・新人がすぐ育つ → 仕事を覚えるのが簡単なので、新人がすぐに戦力化 ・人が辞めても補充がきく
・仕事の生産性があがる → 少人数で対応可能。 → 優秀な人材を、より付加価値の高い業務に割り当てられる 経営者の人はよく、「優秀な人材がいれば・・・」という話をされますが、一番のポイントは優秀な人材を採用することではなく、 「優秀な人材でなくても、まわる仕組み」 を作り上げることなのです。 ●「仕組み化」は「システム化」から さて、仕事を「仕組み化」するにはどうしたら良いのでしょうか? 色々とポイントはあるのですが、一番手っ取り早いのは、仕事をなるべく「システム化」することです。 通常、仕事の進め方は「人に依存」します。効率のよい仕事の進め方をする人もいれば、ものすごく手間のかかる仕事の進め方をする人もいます。 仕事を「仕組み化」するというのは、全ての人の仕事の進め方を、なるべく「一番仕事ができる人」の仕事の進め方にあわせるという意味なのですが、これがなかなか難しいのはご存じの通り。 仕事ができない人にいくら仕事の進め方を教えても、そう簡単には優秀な人と同じ成果は出せません。 そこで大企業が行っているのが、仕事を「システム化」することです。 仕事の中から属人的なやり方を極力廃し、決められた仕事の流れを前提に、仕事の「サポートシステム」を構築します。 システム化されると、そのシステムを利用しないと仕事が進まないように強制されます。 でもその代わり、そのシステムを利用すると、「仕事ができない人」でも、一定レベルの仕事ができるようになるという訳です。 ●システム化を進めるには こうしたシステムを構築するために、大企業は何百億円もの費用を投資しています。 一方中小企業の場合、こうしたシステムの構築に積極的な企業が非常に少ないのが現状です。 一般に中小企業のシステム化投資の比率は、平均すると 「売上の1〜2%程度」 です。1億円の売上で、年間のシステム投資が100万円程度、という感じですね。 でももし、ライバルと差別化したいのであれば、 「売上の5%をシステムに投資する」 くらいの覚悟をお勧めします。 「我が社の人材はレベルが低い」と愚痴をこぼす前に、積極的にシステム投資を行って、「優秀でない人材でも一定レベルの成果」が出せる「仕組み」を構築するのです。 仕事を「システム化」することで、仕事の「仕組み化」を進めていきましょう。 そして「システム化」が進んで、仕事が「仕組み化」していけば、その仕事の仕組みが人材を育ててくれます。 社長さんが求めるような「優秀な人材」を採用するのは至難の業ですが、仕事を「仕組み化」することで人材を育てることはそれほど難しくありません。 ぜひ御社でも、「システム化」を通じて、仕事の「仕組み化」を進めていってくださいね。(^^)V |