第83回 お客さんの不安を取り除くのは「専門家」のアドバイス
(2007/06/01)

●既製品はインターネット販売に不向き?

 まずはご質問からご紹介します。

 インターネットでは、特産品やレアな商品が売れると聞きました。

 ですが、弊社では他のお店でも扱っている既製品を売っています。

 インターネットで販売するのは無理なのでしょうか。

(H商店 H.Tさま)

 H.Tさん、ご質問ありがとうございました。(^^)

 H.Tさんは

 インターネットでは、特産品やレアな商品が売れると聞きました。

とおっしゃっていますが、インターネットに向いていると言われる商材とは主に次のようなものです。

・遠隔地でしか買えないもの、どこで売っているかわからないもの
・実店舗で買うのが恥ずかしいもの
・豊富な情報(判断材料)がないと買うことができないもの
・商品の価値をお客さんがよく知っているもの

 確かに特産品や希少価値のある商品はネットで売れやすい部類に入る商材です。

 しかし、H.Tさんが扱っているような商品も

「商品の価値をお客さんがよく知っているもの」

に入ります。

 ほとんどのお店が扱っている、お客さんがその価値をよく知っている商品も、実はインターネットに向いている商材なのです。


●価値を知っている商品は安心して買ってもらえます

 お客さんが価値をよく知っている商品として、CDを例にして考えてみましょう。

 CDという商品は基本的にはどのお店で買っても中身は変わりがありません。

 CDの内容は歌手や演奏者の力次第ですから、

「あっちの店で買ったCDのほうが歌がうまい」

ということはありません。

 商品の質で差別化することができないわけです。

 しかし、これはCDがインターネットでも買ってもらいやすい理由でもあります。

 インターネットでは実際に商品を手にとることができませんから、買ったあとで

「失敗した、向こうのお店で買ったほうが質が良かったかも・・・」

というようなことが起こるのではないかという不安を、お客さんは常に抱えています。

 ですが、CDのようにどこのお店で買っても内容が同じ製品であれば、インターネットで買ったとしても品質は一定です。

 どこのお店で買っても品質は同じなので、インターネットでも安心して購入してもらいやすいのです。

 このように、お客さんが商品の価値をあらかじめ知っているな商材も、実はインターネットには向いているのです。


●問題はお店に対する不安感です

 しかし、商品の中身はどこで買っても同じなので安心だとしても、販売しているお店に対しての不安感はまだ残っています。

 商品で差別化を図ることができない場合は、この「お店に対する不安感」を取り除くことが非常に重要です。

 商品がきちんと届けば品質に問題はないはずですが、もしホームページを見た時点で

「このお店は信頼できそうにないな・・・」

と思われてしまえば、やはり注文してもらうことはできません。

 ですから、いくら商品の品質には安心していても、ホームページで

「信頼できるお店ですよ」

というアピールをしていかなければ、なかなか商品を購入してもらうことは難しいのです。


●プロの意見を聞くと、お客さんは安心します

 そこで、お客さんに信頼できるお店だと思ってもらうための方法として、

「プロとしてのアドバイスをする」

という方法があります。

 例えば、化粧品の販売店に口紅を買いにきたお客さんがいた場合、同じ商品を扱っているお店でも

「どの口紅でもお似合いになりますね。こちらの商品などいかがですか?」

と言われるのと、

「お客さまの唇と肌の色を考えると、今年の流行色もとりいれたこちらの商品がお似合いになりますよ。」

と言われるのとでは、お客さんの印象はだいぶ違います。

 前者が「とりあえず売れればいい」という感じなのに対して、後者はきちんと専門家の意見で商品をすすめてくれていることがわかります。

 ただ売り込まれるだけではなく、きちんと商品の価値を理解しているお店から

“専門家としてのアドバイス”

がもらえると、お客さんの信頼感は増すのです。


 商品の価値をお客さんがよく知っている商品も、インターネットで販売することは可能です。

 しかし、ホームページでの販売においてはお店に対する不安があると、なかなか買ってもらうことはできません。

 専門家としてのアドバイスを掲載して、お客さんの信頼感を得られるように心がけましょう。