第79回 地域キーワードで実店舗に集客する
(2007/04/27)

●近くの店舗で買えることに越したことはないのです

 実店舗をもっているお店がホームページを導入するときに抱きがちな誤解が

「ホームページで商品を売れば、売り上げがアップする」

というものです。

 ホームページでも販売を始めれば、

「実店舗の売り上げにホームページからの売り上げが上乗せされる!」

という考え方で、ホームページを開設するというケースです。

 そして、このようなケースのほとんどが失敗に終わります。(--;)

 例えば、東京の池袋で薬局を営んでいるお店がホームページを開設したとします。

 この薬局は、周辺に勤めているお客さんを中心にそこそこの売り上げをもっていますが、充分な額には達していません。

 そこで、ホームページで薬の通信販売を始めて、全国から注文を取ろうという考えです。

 しかし、このようなケースは必ずといってよいほど失敗します。

 なぜなら、京都や北海道など、池袋が行動範囲に入っていない地域に住むお客さんが薬を買おうと思ったら、

「まずは近所の薬局を探して訪ねてみる」

からです。

 確かに、家にいながらにして買い物ができる通信販売は便利ですが、近くでも買えるものをわざわざ送料や配送時間のかかる通信販売で購入しようという人はいないのです。


●地域のお客さんを集めるためにホームページを使う

 ホームページで商品を売り出したところで、売り上げにつながるとは限りません。

 先ほどの薬局の例の場合では、

「扱っている商品が近所でも買えてしまうもの」

ですので、わざわざ通信販売で買うお客さんはほとんどいません。

 では、この薬局が売り上げを伸ばすためにはどうしたらいいのかというと、店舗のある池袋から離れたお客さんを取り込もうとするのではなく、

「池袋にいるお客さんをもっとたくさん集めればいい」

ということになります。

通信販売で薬が売れない理由が

「近くのお店で買えるのだから、通信販売よりも実店舗での買い物のほうが都合がいい」

ということなのですから、それなら

「近くのお店で薬を買いたい」

と思っている、池袋が行動範囲に入っているお客さんをもっと集めればよいのです。

 そして、ホームページを活用する方法も、

・通信販売で遠方のお客さんも取り込む

という目的ではなく、

・池袋を利用するお客さんをもっと多く集客する

という目的で活用しなくてはいけません。

 店舗に来ることができるお客さんをもっと増やすために、ホームページを開設するわけです。


●集客のカギは“地域キーワード”

 では、先ほどの薬局が

・池袋を利用するお客さんをもっと多く集客する

ためには、ホームページをどう活用すればいいのでしょうか。

 まずは、池袋で薬を買いたいと思っているお客さんが、どんな経路をたどってホームページへやってくるのかを考えてみましょう。

 まず、ほとんどのお客さんはどんな店があるのか、どんなお店のホームページがあるかを調べるために、検索サイトから薬局の検索を始めます。

 そして、池袋にある薬局を探すのであれば、

薬局   池袋

という2つのキーワードを使って検索をかけます。

 「薬局」というキーワードだけでは、池袋以外にある遠くの薬局まで検索にかかってしまいます。

 ですから、池袋で買い物をしたいお客さんであれば、必ず「池袋」というキーワードを一緒に使うのです。

 したがってこの薬局のホームページは、お客さんが

薬局   池袋

というキーワードで検索をかけたときに検索結果の上位に表示されるようにしてあれば、より多くのお客さんが訪問してくれるようになるというわけです。

 この「池袋」のように、検索するものが関係している地域を特定するためのキーワードを“地域キーワード”と呼びます。

 この“地域キーワード”を利用することが、ホームページから実店舗へ集客するためのカギです。


●“地域キーワード”の使い方

 この“地域キーワード”は、SEOのために利用するキーワードの一つです。

 SEOとは、

「検索サイトでお客さんが検索してきそうなキーワード」

をホームページ内の文章などに使うことで、

「検索結果の上位に表示される」

ことを狙うアクセスアップ対策の一つです。

 お客さんが検索に使うと思われる言葉をあらかじめ予想して、それをホームページの文章中で使い、お客さんがアクセスしてくれる機会を増やそうというわけです。

 つまり、ホームページ内の文章中で店舗所在地のキーワードを使うと、その所在地の名前を使って検索をかけたときに、検索結果の上位に表示されやすくなるのです。

 先ほどの池袋の薬局であれば、

東京都 豊島区 池袋

に店舗がありますので、この「東京都」や「豊島区」、「池袋」などが地域キーワードということになります。

 これらのキーワードをホームページ内で使うと、これらの地域の薬局を検索したお客さんの目に留まりやすくなるわけです。

 そして、これによってホームページへ多くのお客さんを誘導できれば、そこから店舗へと誘導できるお客さんの数も増え、売り上げも伸ばすことができるというわけです。

 店舗への集客をホームページ経由で増やすためには、このような“地域キーワード”を使うことがとても効果的です。

 御社のホームページでも“地域キーワード”を積極的に使って、より上位の検索結果に表示されることを目指しましょう。(^^)