第78回 商品に興味をもってもらうための“人間くささ”演出法
(2007/04/20)

●品質だけが良くても買ってはもらえません

「使ってもらえば良さがわかる商品なのに、なぜか売れない・・・」

 よく耳にする言葉ですね。

 しかし、このような話がある一方で、それほど品質が良いわけではないのに人気は高い商品というものもたくさんあります。

・それほど高性能ではないのに人気が高いパソコン
・猛烈においしいというほどではないのに行列ができるラーメン屋
・特別おもしろい内容でもないのにベストセラーになっている本

 誰しもそんな商品やお店を見たことがあるはずです。

 このよう商品がなぜ売れているのかというと、それはお客さんがその商品を「良さそうだ」と思ったからです。

「なんだその当たり前過ぎる理由は!」

 というお怒りの声も聞こえてきそうですが、(^^;) 売り手がここのところをよくわかっていない場合が、案外多いのです。

 商品の品質というのは、買ってみるまで実感することはできません。

 あくまでも、お客さんはその商品が「良さそう」に見えたから買うのです。

 ですから、いくら品質が良くてもそれにかまけて

「うちの商品は質が良いよ」

と言って腕組みしているだけでは、お客さんは買ってはくれません。

 お客さんに「良さそう」と思ってもらえる工夫をしなければ、商品を買ってもらうことはできないのです。


●「良さそう」と思ってもらえるコンテンツとは

 商品を「良さそう」と思ってもらう工夫は、ホームページ上ではさらに重要になってきます。

 実店舗での販売なら、商品を手に取ったり試食してもらうことで品質の良さを知ってもらうこともできますが、ホームページではそれも不可能です。

 無料サンプルのプレゼントページを作ったところで、「良さそう」に見えない商品のサンプルを請求するお客さんはいません。

 それなのに、ただ商品の説明だけを羅列したホームページを作ってしまうと、

「使ってもらえば良さがわかる商品なのに、なぜか売れない・・・」

というような状態になってしまうわけです。

 品質に自信があるからといって商品の説明ばかりをしていても、お客さんは手に取ることもできないのですから、商品の良さは実感できません。

 商品に興味をもってもらうためには、まずお客さんに御社の商品が「良さそう」だと思ってもらわなければなりません。

 そして、「良さそう」と思ってもらうためには、商品の説明よりもお客さんの“感性”に訴えるコンテンツを用意することが効果的です。

 「良さそう」というのは理屈ではなく、お客さんが感じるものですから、こちらもお客さんの感性に訴えかけるコンテンツを用意してみましょう。


●“人間くささ”で「良さそう」を演出する

 お客さんの感性に訴えかけるコンテンツとして効果的なものの一つに、“人間くささ”を演出するコンテンツがあります。

例えば、

・社長や社員の想いを伝えるコンテンツ
・社長や職人さんのこだわりを伝えるコンテンツ
・お客さんとのやりとり


というようなものです。

 「こんなコンテンツが売り上げにつながるわけがない」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのような“人間くささ”を演出するコンテンツというのがインターネットでは特に重要なのです。

 先ほどもお話したとおり、インターネットでは商品を実際に手に取ることもできません。

あきばれ緑茶 ○○グラム △△円 静岡産高級茶葉使用

というような商品説明だけでは、お客さんに商品の良さをわかってもらうことができません。

 ですが、商品説明に加えて

弊社の茶葉は、直営の茶畑で栽培した○○種を使用しています。栽培には大変手間のかかる品種ですが、日本人に特に好まれる独特の旨みと甘みのあるお茶は、○○種でしか味わうことができません。そのため、この品種にこだわって大事に大事に栽培しています。

というような、社長の想いが掲載されていたらどうでしょうか。

 これに共感してくれたお客さんであれば、

「そんなにこだわって作っているのなら、品質も間違いないだろう」

ということで、このお茶を「良さそう」なお茶だと判断してくれるに違いありません。(^^)V

 “人間くささ”を演出するコンテンツを作ることで、ホームページで単なる商品説明以上の情報を提供して、お客さんに商品を「良さそう」と思ってもらうことができるわけです。


●あきばれネットの“人間くささ”演出例

 実は、あきばれネットでもこの“人間くささ”を演出するためのコンテンツを用意しています。

 例えば、このコーナーの中でもたびたびご紹介している私の社長日記などがその代表例です。

【吉本の社長日記ブログ】

 あきばれネットでは、ホームページやブログなどに関するさまざまなサービスを行っています。

 しかし、残念ながら一般的な知名度は高くはありませんから、吉本という人間を知っている方も多くはありません。(--;)

 このコーナーを読んで下さっている方なら別ですが、いきなりサービスの説明だけを重ねても、どんな人間がサービスを提供しているのかわからないわけですから、簡単に購入してもらうことは難しいわけです。

 そこで、色々な工夫を凝らして、吉本という人間が提供しているあきばれネットというサービスが、

「安心して頼める「良さそう」なサービスだ」

と思ってもらうためのコンテンツを用意しています。

 その中の一つがこの社長日記なのです。(^^)

 この社長日記では、私の日々の仕事の様子や、興味を持った情報などを書いています。

 そして、記事の中では仕事に対する姿勢や考え方を飾らない言葉で、お客さんに伝わりやすいように表現して、

「熱心に仕事をしているな。この吉本という男は信頼できるぞ。」

そんな感想を持っていただけるように書いています。

 単に社長が日記をつけているというわけではなく、ちゃんとあきばれネットのサービスを「良さそう」と思ってもらうための戦略でもあるわけです。

 社長さんや職人さんによっては、想いを寄せたコンテンツやブログなんて照れてしまうという方もいらっしゃるかもしれません。

 ですが、相手の顔が見えないホームページで、商品やサービスを「良さそう」と思ってもらうためには、このような“人間くささ”を演出したコンテンツがとても効果的です。

 手軽に始められるブログなどを使って積極的に導入してみてください。

 きっとお客さんの反応が違ってくるはずですよ。(^^)