第72回 用途はいろいろ、ブログを使ってセカンドホームページ
(2007/03/09)

 前回、ブログについてのご質問を取り上げましたが、まだまだ多くのおたよりをいただいております。

 今回も引き続いて、ブログに関するご相談にお答えしていきましょう。


◆ブログは本当に必要なのでしょうか?

 私は自分の店のホームページはすでにもっているのですが、最近同業の仲間たちがこぞってブログを始めています。

 それならばと、私も始めてみようかと思ったのですが、ホームページはすでにもっていて、日記もあるので、どう活用していいのかわかりません。ブログは本当に必要なのでしょうか。

(T.Mさん)

 T.Mさん、率直で鋭いご質問ありがとうございました。

 何かともてはやされている「ブログ」ですが、T.Mさんのような疑問をもつことは非常に大切です。

 さて、ブログは本当に必要なのでしょうか?

 ブログは、あくまでも情報を発信するための“手段”であって、“目的”ではありません。

 ブログを設置することを目的にしてしまっては、なぜブログが必要なのかわからなくなってしまって当然ですよね。

 T.Mさんの同業の方がどのような目的でブログを設置したのかはわかりませんが、もしT.Mさんが必要ないと感じているならば、ブログを設置する必要はありません。

 ですが、それを決めてしまう前に、ブログがどんな目的を達成できる“手段”なのかを考えてみましょう。

 T.Mさんの場合、まず考えつくのが

「現在の日記ページをブログに移行する」

という目的です。

 T.Mさんが現在、ホームページ制作ソフトで「日記ページ」を作成していて、日記の更新に手間を感じていらっしゃるようならば、

「日記ページをブログで作り替える」

ことで、簡単に更新できるようになります。

 ブログを利用する最大のメリットは「簡単な作業でページの内容を日々追加していくことができる」という点です。

 日記ページをブログで作り替えれば、このメリットを活かすことがでます。

また、ブログを使って、

「現在のホームページを補完するセカンドホームページ」

を設置することも可能です。

 本体のWEBサイトとは別に、目的別に2つ目、3つ目に作るホームページを「セカンドホームページ」と呼びます。

 ブログは、普通のホームページに比べて弱冠の制約はあるものの、頻繁に更新する必要があるコンテンツとして使うのには、かなり便利なツールです。

 例えば、自営業を営んでいらっしゃるT.Mさんでしたら、

・お客さまからのご質問
・新商品のご紹介
・今週のプレゼント

といった、「頻繁に更新したいコンテンツのページ」を、「セカンドホームページ」としてブログで作成し、本体のホームページと連動させることで、今以上にホームページを活用することができるでしょう。

 T.Mさん、何か良い「ブログの使い道」が思い浮かんできたでしょうか?

 「ブログを使ってどんなことができるか」を考えることが重要であることを忘れないでくださいね(^_^)V

 さて、後半も、ブログについての疑問にお答えしていきます。


◆どんなブログにすればいいのか混乱しています

 多くの患者さんに安心して来院してもらえるブログの使い方とはどんなものなのでしょうか?

 患者さんは、当院のHPで症例を見ての来院と私の趣味ページを見て来院に分かれ、前者はほんとにカラダがつらく、後者はこんな先生なら任せてみようかなと来院。何が狙いで、どこに特化すればよいのか混乱しています。

(Y医院院長 Y.Sさん)

 Y.Sさん、ご質問ありがとうございます。

 こちらは、ブログのコンテンツの内容に一歩踏み込んだご質問ですね。

 Y.Sさんは開業医でいらっしゃるようですが、病院のホームページと、ご自身の趣味のホームページの、2つのホームページをおもちです。

 そして、趣味のホームページも病院のために一役買っているとは、なかなか上手にホームページを活用していらっしゃいますね。(^^)

 Y.Sさんは、

何が狙いで、どこに特化すればよいのか混乱しています。

とおっしゃられていますが、その答えはY.Sさんの質問の中に具体的に表れているように思えます。

 患者さんは、当院のHPで症例を見ての来院と私の趣味ページを見て来院に分かれ、前者はほんとにカラダがつらく、後者はこんな先生なら任せてみようかなと来院。

 Y.Sさんは「症例の紹介=病院としての情報コンテンツ」と「Y.Sさんの人となりの紹介」のどちらの目的に“特化”して、ブログを使うのがいいのかと悩んでおられるようです。

 「Y.Sさんの人となりの紹介」というと、「日記」や「コラム」といった内容を考えがちです。

 ですが、Y.Sさんはすでに趣味のホームページをお持ちで、そちらのほうでも充分に人となりを知ってもらえる、個人的な内容のコンテンツを提供なさっているようです。

 そこで、「個人的な日記」を公開するのではなく、「症例の紹介」と「Y.Sさんの人となりの紹介」の両方に役立てるコンテンツを、ブログを使って作ってみるのはいかがでしょうか。

 一般的な症例の紹介は、頻繁に更新を必要とするものではありませんから、ブログでは、

・その日その時に直面した症例
・患者さんとのやりとり

などの、頻繁に更新したい情報を公開するのです。

 こうすることで、Y.Sさんの人となりだけでなく、より「実像の見える症例紹介」としても役立ってくれるのではないでしょうか。

 「人となりの紹介」と「情報の提供」という二つの役割を、持たせることができるわけです。

 どちらの目的にもかなうコンテンツを作ることができれば、より患者さんの信頼を得るための「セカンドホームページ」になると思いますよ(^^)


 今回ご質問をいただいたお二方は、ともにホームページをお持ちになっている上で、ブログの導入を考えておられます。

 すでにホームページをお持ちの方は、

「どんな内容を追加すれば、ホームページを今以上に活用できるか」

を、まずは検討してみてください。

 その上で、「頻繁に更新したほうがよいコンテンツ」の追加が必要であれば、ブログの利用を検討してみてはいかがでしょうか。