第62回 プロバイダーとレンタルサーバーとHP制作業者の
関係を把握しよう(1)
(2006/12/28)

 今回は、あきばれネット発行の小冊子『できる社長のHP入門』をご購読いただいた方からの感想とご質問をご紹介します。


◆『できる社長のHP入門』読者アンケートより

 濃い内容でとても良いと思います。

 一つあるとすれば、インターネットプロバイダーとレンタルサーバー業者とHP制作業者の関係を記述してもらえたらいいな、と思います。

 例えば、3社とも同じで良いのか? 別々だとどのような問題があるのかなど・・・

(GS社 代表 O.H様

 O.Hさん、ありがとうございます。

 O.Hさんからいただいた「インターネットプロバイダとレンタルサーバー業者とHP制作業者の関係」については、ホームページの制作を検討される際に多くの方が疑問を持つ点です。

 まずはそれぞれの役割について解説してみましょう。


◆プロバイダとレンタルサーバーとHP制作業者

<インターネットプロバイダ>

 インターネットに接続するためのサービスを提供する通信事業者のことを「インターネットサービスプロバイダ(ISP)」と呼びます。

 インターネットプロバイダは、個人ユーザーや自社ネットワークを持たない企業が簡単にインターネットを利用できるよう、必要な設備を用意し、提供しています。

 つまり、インターネットに接続するためには、通常インターネットプロバイダとの契約が必須になります。

<レンタルサーバー業者>

 「レンタルサーバー業者」は、ホームページや電子メールなどインターネット上での情報発信のために必要な「サーバー」を貸し出す業者のことで、「ホスティングサービス業者」とも呼ばれます。

 「レンタルサーバー」を借りると、独自ドメインを使用したホームページの公開や電子メールの使用が可能になります。

 商用のホームぺージの場合は、この「レンタルサーバー」を業者に借りて公開することがほとんどです。

<ホームページ制作業者>

 文字通り、ホームページの制作をしてくれる業者のことです。

 ホームページの制作は、計画からデザイン・コンテンツ作成・公開・完成後のフォローまでたくさんの工程にわかれますが、サービスの提供内容やサポートの範囲は業者によってまちまちです。


 さて、このようにそれぞれ明確に役割があるにも関わらず、何をどこに頼めば良いか、よくわからなくなってしまう理由は、

「インターネットプロバイダがレンタルサーバーもやっている」

というケースや、

「ホームページ制作業者がレンタルサーバーも提供している」

というケースが多く見られるためです。


◆プロバイダとレンタルサーバー

 インターネットプロバイダは、「インターネットに接続するためのサービスを提供する」のが本来の役割ですが、その他に、メールアドレスの提供やホームページを公開できるスペースの提供なども「おまけ」として一緒にやっている場合がほとんどです。

 ですので、インターネットプロバイダと契約すると、無料で電子メールが使用でき、ホームページも公開することができます(ただしこの場合のドメインは、独自ドメインではなく、そのプロバイダ所有のものになります)。

 また、プロバイダによっては、有料の「法人向けレンタルサーバー」事業や「ホスティング」事業を並行してやっている場合もあります。

 特に法人に対しては、「接続サービス」と「レンタルサーバー」をパッケージにしてセット販売しているケースも多くあります。

 以上のことから「プロバイダとレンタルサーバー業者は同じモノ」ととらえられてしまうことがよくあります。

「レンタルサーバーを契約するということは、プロバイダは解約していいんですよね?」

というご質問を時折いただきますが、レンタルサーバーのみを提供する業者と契約する場合は、インターネットプロバイダとの契約も維持する必要があります。

 そうでないと、インターネットに接続できなくなってしまうからです。

 なお、インターネットプロバイダとレンタルサーバー業者が別々の会社でも特に問題はありません。

 どちらかというと、ホームページ制作時の必要事項を検討し、必要な条件に合わせてレンタルサーバーを選択することのほうが重要です。

 ご利用中のインターネットプロバイダが提供するレンタルサーバーが、ホームページ制作時の条件と合うという前提で、

 ・セットにしておくとランニングコストが安くなる
 ・請求や連絡先をひとつにまとめておける


などのメリットが感じられる場合、同じ会社を選択してもよいでしょう。

 残る「ホームページ制作業者とレンタルサーバー」の関係については、次回解説します。