第34回 ホームページのアクセスアップ
(2006/06/16)

 ホームページのアクセスアップを、実店舗の集客方法と比較しながら説明してみましょう。

 アクセスアップというと、「検索サイトでの上位表示」にばかり皆さん関心が行きがちなのですが、少し見方を変えて、実店舗との比較でお話ししてみます。


●実店舗の集客方法

 ホームページにおける「アクセス」というのは、実店舗における「集客」に当たります。ですから、「アクセスアップ入門」と言うのは、「集客入門」と読み替えて頂ければ結構です。

 さて通常店舗で集客する際は、大きく3つの方法があります。


1)自然集客

 実店舗での集客方法の一つ目は、人通りの多い場所に出店することにより、自然と通行客に来店して頂く方法で、ここでは「自然集客」と呼びます。

 この方法は、「立地」が全て。田んぼの真ん中に出店しても誰も来店してくれませんが、駅前であれば放っておいてもお客さんはやってきます。ただし当然、良い立地はテナント料も高いですから、集客とコストのバーターとなってきます。


2)広告集客

 二つ目は、チラシ等を利用して集客する方法で、ここでは「広告集客」と呼びましょう。

 折込みちらしやポスティングのチラシ、あるいは新聞や雑誌への広告掲載という手段により、こちらから積極的に来店を促す集客方法です。この集客方法の場合、広告費用がかかりますから、コストと効果の分析がポイントになります。


3)リピート集客

 三つ目は、一度来店してくれた人に、再度来店してもらう方法で、ここでは「リピート集客」と呼びます。

 前述の立地や広告を通じて、一度来店してくれた人が、その店を気に入ってくれて、再度来店してくれるパターンです。集客としては、この方法はそれほどお金がかかりませんから、最もコストパフォーマンスの良い集客方法と言うことになります。


 さてホームページの集客(アクセスアップ)も、同じようにこの3つのパターンの組み合わせになります。


●ホームページの自然集客(アクセスアップ)

 まず一つ目の「自然集客」について考えてみましょう。実は、インターネットでは少し実店舗と事情が違います。

 インターネットでは「立地」という概念がありません。実店舗では大通りに出店すれば必ず店の前を人が通ります。でもインターネットでは、ホームページの前を通ってくれる人は「0人」です。

 実店舗では道を歩いていれば、嫌でも新装開店の店は目に入ってきます。でもホームページの場合は、ホームページを開設したと言うことを誰も知りません。誰も知らないので、当然新しいホームページにアクセスする人は誰もいない、という訳です。

 そのため、インターネットでは、「自分のHPの存在を知ってもらう」と言うことが非常に重要になります。

 この「自分のHPの存在を知ってもらう」ための自然集客(アクセスアップ)の手段としては、「リンクによる自然集客」と「検索サイトによる自然集客」の二つがあります。


1)リンクによる自然集客(アクセスアップ)

 リンク自然集客とは、他のサイトにあなたのホームページアドレスをリンクしてもらい、そのサイト経由であなたのHPにアクセスさせる方法です。

大通りに出店して、自然と人が来店してくれるのを待つ

という実店舗の自然集客のイメージに対し、

たくさん来店している他のお店の前で、店舗の住所(URL=HPアドレス)を記した看板を掲げて、自分の店(HP)に連れてくる

というイメージです。

 ここでいう「他のお店」と言うのが、インターネットでは、既にアクセス数の多い「人気サイト」に当たります。各種の「検索サイト」や、「ポータルサイト」、あるいはその道の「専門サイト」や各種行政機関の「情報サイト」です。こうしたアクセスの多い人気サイトに、御社のHPを「リンク」してもらう訳です。

 人気サイト以外にも、知り合いのサイトや、同業者のサイト、公的な行政機関のサイト等、とにかくたくさんのサイトにあなたのHPをリンクしてもらいましょう。

 このリンクしてもらうサイトは、多ければ多いほど良いです。当面の目標としては、100位のサイトからリンクしてもらえるように頑張りましょう。

 多くのサイトにリンクしてもらうことにより、自らアクセス(=実店舗での来店客)を作り出す訳ですね。


2)検索サイトによる自然集客(アクセスアップ)

 さて、他のサイトにリンクしてもらって、そのサイト経由のアクセスを増やすという「リンク自然集客」とは別に、検索サイト経由で集客する「検索サイト自然集客」を考えてみましょう。

 何か情報を探している人は、検索サイトで検索を行います。そして検索結果の上位に表示されると、検索した人がその表示結果上のリンク経由であなたのHPにアクセスしてきます。

 この検索サイトも、先ほどの「リンク自然集客」の一形態です。「検索サイト」という膨大な「リンク集」の中から、任意のキーワードに合致するHPのリンクだけを抽出して表示するのが、検索サイトなのです。

 この検索サイト経由の集客は、うまく行くとかなりのアクセス数を稼げます。

 ただし、アクセス数を増やすためには、検索結果の上位に表示されるのが必須事項です。そして同じように検索サイトでの上位表示を狙うサイトも多いですから、非常に競争の激しい世界だとも言えます。

 とはいえ、ひとたび特定のキーワードで検索サイトの上位表示を勝ち取れば、後はある程度放っておいても「自然」に集客できる方法です。


●ホームページの広告集客(アクセスアップ)

 以上の「自然集客」は、自然とアクセスをしてもらうための集客方法でした。しかしこの自然集客では、ある程度で集客(アクセス数)は頭打ちになります。

 実店舗でも、いくら立地が良くても、自然集客だけでは、店の前を通るお客さんの数により上限が決まってしまいます。そこで多くのお店では、新聞チラシ等の「広告集客」を併用して、お客さんをさらに増やそうとします。

 インターネットでもアクセス数を増やすために、広告という集客方法がよく利用されます。

 インターネットでは広告手段として、「バナー広告」「メルマガ広告」「検索キーワード広告」といった各種の広告が利用可能です。

 インターネットの場合、お金をかけない「自然集客」をメインに考えるかたが多いですが、反応が取れる(=成約率(コンバージョンレート)が良い)ホームページをお持ちの方は、広告による集客を併用すれば、売上げの成長を加速することが出来ます。


●ホームページのリピート集客

 店舗でもお客さんに、再度来店してもらうことが来店客数に大きく影響するように、ホームページのアクセスも「リピートアクセス」でかなり差が出ます。

 ところがホームページの場合は、リピートアクセスしてもらうのが、かなり難しいのです。

 実店舗の場合はそのお店の場所を大抵覚えています。「あの角を曲がった先の、緑の看板のお店」という風に、「何となくあの辺だ」と言うのを覚えていますから、次にその店に行きたくなったときにも、それほどトラブルなく来店することが出来るのです。

 ところがホームページの場合はそうは行きません。

 ホームページにアクセスするには、ホームページアドレス(URL)を入力する必要がありますが、これを覚えている人はほとんどいません。

 実店舗の場合は「だいたいあの辺」で目的地に到達できますが、ホームページの場合は「ホームページアドレス」の「全ての文字」が正しくなければ、あなたのホームページは表示されないのです。たった1文字違っただけで、あなたのホームページは決して表示されないのです。

 従って、ホームページでリピートアクセスしてもらうためには、実店舗のリピート集客とは違った仕組みが必要になってきます。


 以上、ホームページのアクセスアップの考え方について整理しました。