第18回 社員の I T 教育と電子メール
(2006/02/17)

 今回は、ちょっと趣向を変えて、「社員の I T 教育と電子メール」というテーマでお話してみます。


●社員の I T 教育と電子メール

 今では90%以上の中小企業がパソコンを導入していますが、電子メールを利用している中小企業は60%前後だと言われています。

 あきばれネットの会員さんの場合はどうだと思いますか? 実は会員さんのほぼ100%が、メールアドレスをお持ちです。

 でも、油断は禁物です。

 社長さん以外に、社員の大多数がメールアドレスを持っている企業というのは、まだまだ少数派。

 そして社長さんに、なぜ社員にメールを使わせないのか、と尋ねると「メールアドレスを渡しても、どうせあいつら使わないから」という答えが返ってきます。


●キーボードアレルギーへの処方箋

 そういう社長さんに、「御社のパソコン活用は進んでいますか?」と聞くと、例外なく、「パソコン使える社員があんまりいないんだよね〜。」というお答え。

 つまり社員がパソコン使えない、だから電子メールのアドレスを与えても無駄、そういうロジックな訳です。

 そんな社長さんにお教えしましょう。
社員にパソコンを学ばせる一番簡単な方法は、電子メールを使わせることなんです。

 パソコンが使えない最大の理由は何だと思いますか?

 それは、キーボードが使えないことです。年輩の方を中心に、ペンで文字を書く習慣を持つ人にとって、このキーボードに対する敷居は、相当高いのです。

 あなたも初めてパソコンを触った時に、キーボードの配列が分からなくて、苦労した覚えがありますよね。しばらく触っていると、すぐにマスターできるのですが、最初のうちはキーボードが苦手で、パソコンが嫌いな人が多いものです。


●電子メールの意外な効用

 ところで、こんな話をご存じでしょうか?

 60歳代の老人20名に、携帯の電子メールの操作を教える実験が行われました。

 最初の10名には、携帯電話と説明書だけ渡して、携帯電子メールを練習してもらいました。電子メールのメリットや機能についてはほとんど説明せず、単に操作を自分で習得してください、という指示だったのですが、3日たってもほとんどの人が携帯電子メールを使えなかったそうです。

 一方、次の10名には、「この携帯電子メールを使えば、お孫さんとメールのやり取りができますよ」と伝えた上で、同じように携帯電話と説明書を渡しました。すると30分で、全員が携帯電子メールを使えるようになったそうです。

 この話は、経営者が社員にパソコンを使わせるように仕向ける際に、大変参考になると思います。

 つまり、電子メールと言う「コミュニケーション手段」を与えることで、「自発的」に、かつ「短時間」に、携帯電話の操作を老人がマスターしたと言う訳です。

 そして、パソコンの電子メールを社員に使わせることで、同じように簡単にパソコンを習得させることができます。

 電子メールを使って、友達や家族と連絡して良いという許可を与えると、ほとんどの社員は喜んで電子メールを使い始めます。もちろん、取引先やお客さんとメールのやり取りをする人もいるでしょう。

 そして電子メールを送るためには、嫌でもキーボードを使う必要があります。

 でも、電子メールを送るのが楽しいと感じれば、キーボードアレルギーを感じることはありません。先ほどの携帯電話の老人のように、知らない内にキーボードの、そしてパソコンの操作をマスターしているのです。

 電子メールのアドレスを用意するのは、それほど費用が必要な訳ではありません。ご利用のサービスにもよりますが、1アドレスにつき毎月1,000円くらいで、電子メールの利用が可能です。

 10人社員がいても、毎月1万円くらいです。社員にパソコンを活用させたいとお考えの経営者は、ぜひ電子メールのアドレスを、社員全員に与えることをお勧めします。

 もし、御社が「社員の I T 教育」を進めたいとお考えだったら、「社員全員にメールアドレスを与えること」をやってみて下さい。1ヶ月くらいで全員がパソコンを使えるようになることを保証しますよ。