今回は、ホームページを設置するレンタルサーバーについて考えてみましょう。 まず最初に、弊社情報誌をお読み頂いた読者からのお便りをご紹介します。
お便りを頂いたかたはパソコンに相当お詳しいようで、「自作パソコン」を制作されるほどのスキルをお持ちのようです。 私などこういう仕事をしている割に、パソコンそのものにはそれほど詳しいわけではなく、何か分からないことがあると、すぐにうちのカウンセラー達に頼ってしまっています。(^^ゞ ましてや自作パソコンなんて・・・、と言う感じで、MKさんのように自分でパソコンを組み立てる人は、本当に凄いな〜と思います。(^_^; ●自宅でWEBサーバー さてMKさんのお便りの中にあった「自宅でサーバーをたてる」、というトピックで本日はお話してみます。 一般的にホームページを開設するときは、専門業者の「レンタルサーバー」を借りて、そのサーバー上にホームページを開設します。 「レンタルサーバー」という「テナントビル」を借りて、「ホームページ」という「仮想店舗」をオープンする、そんなイメージです。従って、「レンタルサーバー業者」は「テナントビルのオーナー」にあたると思って下さい。 さて、「自宅でサーバーをたてる」と言うことは、専門業者に頼らずに、自分でサーバーの設置や管理を行うことを言います。 上記の例で言うと、テナントビルの1室を借りて店舗をオープンするのではなく、「自宅の一部」を店舗として利用するようなイメージです。 ●自宅を店舗にすると・・・ さてここで少し考えてみましょう。 あなたは「一軒家」に住んでいるとします。 そして新しく自宅で商売を始めることにしました。一階の一室を「ショールーム」に改装し、パンフレットやサンプル商品を展示します。 営業時間は「24時間365日」です。あなたが寝ている間でも、そのショールームには自由にお客さんが出入りして、パンフレット等をお持ち帰り頂ける形にしました。 自宅のショールームにお客さんに来て頂くために、今までは閉めていた「道路に接した門」を、「常に開けっ放し」にすることにしました。またショールームに入って頂くために、「玄関」も「常に開けっ放し」にすることにしました。 つまり、あなたが寝ている時も不在の時も、「道路に面した門」と「玄関扉」は常に開かれた状態という訳です。 最初のうちは良心的なお客さんばかりでしたが、案の定、しばらくするとあなたが外出しているすきに、「開けっ放しの門」と「玄関」を通じて泥棒に入られてしまいました。 そこでショールームの「玄関」と自宅の「玄関」を別々に用意することにします。「自宅用の玄関」は常に閉めておいて、「ショールーム用の玄関」は常にあけてあります。でも「道路に面した門」は常にあいたままです。 これで一安心と思ったのもつかの間、開けっ放しの「門」からまた泥棒が入ってきました。彼らはプロですから、「自宅用の玄関」をこじ開けるのは朝飯前。最新式のピッキング対策を施した「高級玄関扉」でない限り、彼らの侵入を防ぐことはできません。自宅の玄関扉ですから、それほどお金をかけない「普通の玄関扉」でした。当然のように、家の中の金目の物を一式盗まれてしまいました。 仕方なく、大金を払って「自宅用玄関」を最新式のに付け替えました。 でもしばらくすると、今度は夜中にショールームの壁を「ドリル」で穴を開けられて、侵入されてしまいました。自宅のショールームの方は、玄関扉をつけていませんから、誰でも入って来れます。そして人目を盗んで、壁に穴を開けて、まんまと自宅の内部に侵入してきたのです。 もうこれ以上の対策は予算オーバーです。ショールームの壁を、もっと頑丈なものに取り替えて、さらに警報装置や監視装置をつけないと、もはや「プロの窃盗団」には太刀打ちできないことがよく分かりました。 ●自宅のサーバーは危険です。 以上、長々と書いてきましたが、このショールームを「自宅のサーバー」に置き換えてもらえれば、いかに「自宅でサーバーをたてる」のが「危険」か、ということがご理解頂けると思います。 「道路に面した門」が「インターネットとの接続口」、すなわち「ADSL回線」等の接続ケーブルにあたります。そして「玄関」が「ファイアーウォール」と呼ばれる「防犯施設」に相当します。 でも上記でお分かりのように、「プロの窃盗団」すなわち「プロのハッカー」に対応する「高級玄関扉」「警報装置や監視装置」を用意するには、相当のコストがかかります。 また「プロのハッカー」の技術は日進月歩ですから、高級玄関扉や警報装置を常に最新の状態にバージョンアップする必要もあります。 現実問題、専門家でもない限り、プロのハッカーに対応するための「ファイアーウォール」を運営し続けるのは、ほとんど困難です。 例えば昔、私が某銀行のWEBマスターを担当してた頃、1日に200件以上のハッカーからの攻撃を受けたことがあります。攻撃してきたのはプロのハッカーですから、「玄関扉の個別のネジや蝶番」まで、徹底的に攻撃してきました。 何とか「玄関(ファイアーウォール)」をこじ開けて、内部に侵入しようと試みたのです。 でも我々は、 ・三重のファイアーウォール(玄関扉)、 ・サーバーを取り囲む専用の防御システム(防御壁)、 ・24時間対応の警報装置と監視装置、さらには ・日本有数の技術力を要する「専門セキュリティー技術者部隊」 を用意していましたので、ハッカーの攻撃を全て跳ね返すことができました。 しかし普通の中小企業では、そうは行かないと思います。 自宅をショールームに改装することが簡単なように、自宅でHPサーバーを立ち上げるのは簡単です。でも「プロの強盗団」に侵入されないためには、相当の「追加コスト」と「対応スキル」が必要なのです。 そしてプロのハッカーに侵入されたが最後、何が起こるか分かりません。御社の大切な顧客データが漏洩したり、社内のパソコン全てがマヒしたりする可能性だったあるのです。 というわけで、あきばれネットの会員さんからご相談頂いた時は、サーバーはプロのレンタルサーバー業者を利用することを「強くお勧め」しています。 販売業者によっては、「サーバーを買って欲しい」がために、「オフィスにHPサーバーを設置」することを勧めたりしますが、決してその手にはのらないで下さいね。 あとで泥棒に根こそぎ持って行かれてから、後悔しても遅いですからね。(^^) |