第14回 ホームページのチューニングが成功の秘訣
(2006/01/20)

 今回は、「季節商品をホームページでどう取り扱うべきか」について、考えてみたいと思います。


●季節商品とホームページ

 一般的に、通常のHPは「通年型」で、一年中いつアクセスしても良いようなコンテンツが多いです。

 これは取り扱い商品に季節性がそれほどない場合が多い、ということもあるのでしょうが、「季節にあわせてコンテンツを更新するのが面倒」という理由が一番大きいと思います。

 確かに季節にあわせてコンテンツを更新するのは大変です。

 春夏秋冬の4シーズンですから、年に4回コンテンツを入れ替えるとすると、それなりの工数が必要になります。お金も時間もとられますから、ついつい、「全部のシーズンの商品を最初から掲載しておく」という風になりがちです。

 でも実は、季節性の商品を取り扱っている会社は、シーズンにあわせてコンテンツを入れ替えた方が、レスポンスがかなり良くなります。

 インターネットは「情報の収集」を目的とした利用者が圧倒的ですが、彼らが必要とする情報は、季節によって変わります。

 例えば、検索サイトでの人気検索キーワードを調べてみると、冬なら「クリスマスプレゼント」とか「スノーボード」とか、そういうキーワードが多いですし、夏なら「スキューバダイビング」とか「花火大会」とか、そういうキーワードが増えます。

 またインターネットで商品購入を考える人も、季節毎に検索する「季節商品」が変わります。当然、その季節商品にあわせてコンテンツを入れ替えた方が反応は良くなります。

 例えば、アパレル系なら、夏は「夏物衣料」をメインにコンテンツを作った方が良いわけです。夏なのに、コートの写真と水着の写真を並列で並べたら、売れるものも売れなくなるのは当然ですよね。

 また同じ商品でも、季節にあわせてキャッチコピーや説明コンテンツを入れ替えた方が反応は向上します。

 例えば、ダイエット商品を販売するサイトなら、普段は

「1サイズ小さい服を着こなすためには・・・」

というコンテンツだとしても、夏になったら

「水着を格好良く着こなすためには、この○○○○○を・・・・」

というコンテンツに入れ替えた方が、アクセス者の「心に訴える」度合いが違いますから、反応率にかなりの差が出ます。

 つまり

・季節にあわせて、HP上で取り上げる商品を変更する

あるいは

・季節に合わせて、商品の説明の方法を変更する

ということが、反応率を上げるためには効果的だ、ということです。


●実店舗で6ヶ月も手を入れない事はありません

 ところが、最初に作ったきり、半年以上も放ったらかしになっている、という企業のホームページが少なくありません。

 忙しさのせいで、あるいはウェブ制作業者に支払う更新コストを惜しんで、作ったきりのホームページとなってしまうケースが多いわけです。

 ところで実店舗ではどうでしょう。

 最初にオープンしたっきり、商品の変更や、店内のレイアウト変更を行わない、なんてことはありえるでしょうか?

 季節にあわせて売れ筋の商品を変更したり、商品説明のポップの差し替え、あるいは価格の見直し、といった作業を日常業務として日々実施していることと思います。

 また、店内の内装に関しても、セール品を入り口においたり、ディスプレー商品を毎月変更したり、たまには店内の内装を変更したりもするでしょう。

 ホームページも同じです。

 ホームページはインターネット上の「仮想店舗」。当然、通常店舗と同じようなスタンスで望む必要があります。

 最初に作ったホームページが、いきなり満塁ホームランで売上倍増、というのはレアケース。継続的にホームページの変更を続けていかないと、なかなか商売に繋がるHPには成長していきません。


●トライ&エラーが店舗運営の基本

 ホームページに限らないですが、商売の基本はトライ&エラーですよね。

 実店舗でも、「この商品が売れるだろう」と思って仕入れてみたけど、駄目だったので別の商品に変更してみる、というのは良くある事だと思います。

 このトライ&エラーは、仕入れ商品に限りません。価格設定、店内陳列、広告のキャッチコピー、広告媒体、等々、商品販売プロセスの全てにおいて、試行錯誤しながら、最も効果的な販売方法を見つけていくわけです。

 さてホームページですが、こちらも同じようにトライ&エラーが基本です。

 ただホームページが実店舗より優れているところは、このトライ&エラーのコストが、実店舗よりもはるかに小さい、と言うことです。

 例えば実店舗で新商品を仕入れる場合、店頭に一定数量陳列する必要がありますから、一定の在庫を抱えることになります。この新商品が売れれば良いですが、見込み違いで売れないとディスカウント販売となって大赤字、という可能性もあります。

 一方、ホームページの場合は、新商品を販売する場合でも、ホームページ上の写真とコンテンツの差し替えだけですから、初期ロットの在庫リスクがありません。新商品を実際に仕入れる前に、ホームページ上で写真とコンテンツだけで販売する、ということが可能なのです。

 また広告に関してもトライ&エラーのコストはかなり低いです。

 実店舗で、新聞の折り込みチラシを配るとすると、部数にもよりますが、最低でも10万円以上の広告費用がかかってしまいます。10万円を広告費に投資して、元が取れるだけのノウハウが既にある場合は良いのですが、トライ&エラーの期間はこの広告費用が無駄になってしまう可能性も高いわけです。

 でもインターネットの場合は、もう少し小ロットの広告手段が数多く提供されています。千円、2千円といった最低価格からの広告が可能です。こうした低価格広告でトライ&エラーを積み重ねて、ノウハウがたまれば、もう少し高額な広告に手を出して行けばよいのです。

 こうした事例に限らず、ホームページの世界は、パソコンのキーボードを叩くだけで試行錯誤ができます。実店舗のように、「実際の商品」を取り扱う必要がないため、このトライ&エラーのコストが実店舗よりもかなり低いわけです。

 というわけで、ホームページのトライ&エラーは、実店舗より遙かに簡単です。

 是非、何ヶ月もホームページを放ったらかしにしないで、トライ&エラーでホームページのチューニングを続けて下さいね。