第13回 ホームページと高額商品
(2006/01/13)

 今回はまず最初に、読者からのお便りをご紹介しましょう。

 こんにちは。いつも楽しみに拝見しております。

 さて、弊社は岐阜・愛知・関市・名古屋市を商圏とした建築会社です。

 先日、「快適で丈夫な木の家づくり」をテーマにした「木造住宅建築」のホームページを立ち上げました。

 今後、弊社のホームページを使って営業活動を行う際のポイントをご教示頂けないでしょうか。

 宜しくお願い申し上げます。

 今週は、上記のご質問を元に、高額商品とホームページについてお話ししてみたいと思います。


●高額商品の販売プロセス

 ご質問者が販売されている「木造住宅」のような「高額商品」は、購入決定までのプロセスが、一般的に非常に長くなります。

 100円の缶ジュースなら、ほとんど何も考えずに「衝動買い」する人も多いですが、何千万円もする住宅の購入はそうも行きません。最終的に購入を決断するまで、かなりの日数を要します。(中には、物件を見た瞬間に「思わず」契約してしまう人もいるようですが・・・(^^)

 さて、こうした「高額商品」を購入する場合、多くの人は最初に「情報収集」を行います。パンフレットを取り寄せたり、店員に詳しい説明を聞いたり、実際に商品を確かめてみたり、様々な情報を集めるわけです。

 ここでのポイントは、この情報収集がこんな感じで進むことです。

【商品そのもののお勉強】
 (住宅の場合であれば、住宅選びのポイントや、材質、工法、価格の相場といった情報を収集して、自分なりに理解する)
【商品の比較】
 (住宅の場合であれば、いくつか物件や住宅会社を回って、比較検討する)
【商品の決定】
 (最終的に、気に入った物件に決めて、契約!)

 このプロセスは、少し値が張るもの、例えばビデオカメラや英会話教室といった商品・サービスには共通のパターンです。

 さて、上記の流れを前提にすると、高額商品を「いきなりHPで売り込む」のは、非常に難しいということは、直ぐにお分かり頂けると思います。ですから、フローの最後「商品の決定・購入」をHPで目指しても、反応がほとんど取れません。

 また高額商品の場合は、実際に物を見ないで購入するケースは希ですから、上記フローでの「商品の比較」に関しても、HPだけで行うのはかなりの制限があります。


●ホームページで見込客むけの情報を提供

 ところが、最初の「商品そのもののお勉強」フェーズでは、ホームページは非常に喜ばれます。

 多くのお客さんは、「売り込み」を嫌いますので、できれば商品のお勉強は、店員に煩わされずに行いたいと思っています。また、帰宅後や休日にゆっくりと商品のお勉強をしたい人も多いのです。

 こうした人にとっては、今や「ホームページで情報収集」することが当たり前の状態になってきました。ですから、ホームページにこうした情報を掲載して、お客さんの「商品に対する理解」を深めてあげると、お客さんに大変喜ばれるのです。

 もちろん、こうした情報を掲載するだけで、高額商品が売れる訳ではありません。

 ただ、最初の「商品そのもののお勉強」フェーズで、「お客さん」あるいは「見込み客」に対して有益な情報を提供することで、お客さんの中であなたの位置づけが、ライバルよりも一歩リードします。

 そしてこのリードを続けていくことによって、それ以降のフェーズでライバルを差し置いてあなたの高額商品の販売につなげることができるのです。

 ホームページでは、見込み客(=将来のお客さん候補)に役立つ情報を提供しましょう。

 このHPのアドレスを広告やパンフレットに明示して、お客さんにアクセスしてもらえれば、ライバル企業に一歩も二歩もリードできる可能性は非常に高いと思います。

 あなたも、もし10万円以上の高額商品を扱っておられるのなら、是非こうしたアプローチをご検討になると良いのではないでしょうか。