第7回 ホームページでの画像利用のポイント
(2005/11/25)

 今回は、ホームページ入門用ガイドブックをお読み頂いた会員さんから頂いたご質問にお答えしてみましょう。

吉本様

 いつも参考になるお話で大変刺激かつ勉強になります。

 ひとつ質問ですが、我社もホームページを持っているのですが、業種が画廊業とあって、作品を少しでも多くの方に見ていただきたく、どうしても画像が多いホームページなんですが、やはり良くないのでしょうか?

 現在お送り頂いたガイドブックを読んでる最中なのですが、とても興味がある内容で、真剣に最後までよまさせていただきます。今後のホームページのあり方について考えさせられそうです。

(愛知県 Kさん)

 Kさん、お便りありがとうございます。

 ガイドブックがお役たったようで、一生懸命執筆した甲斐がありました。(^^)

 ひとつ質問ですが我社もホームページを持っているのですが、業種が画廊業とあって、作品を少しでも多くの方に見ていただきたく、どうしても画像が多いホームページなんですが、やはり良くないのでしょうか?

 このご質問の部分なのですが、このご質問にお答えする前に、

ホームページの目的は何でしょうか?

について考えてみましょう。

 ホームページの目的が、画像を見せることであれば、たくさんの画像を掲載することは問題ないと思います。

 しかし、ホームページの目的が、

画像の紹介を通じて絵を販売すること、あるいは、画廊に来店してもらうこと

にあるのだったら、「たくさんの画像を掲載すること」が、必ずしも上記の目的実現に直結するわけではありません。

 例えば街中で、「絵の写真だけが何百枚も印刷されたチラシ」を渡されたとします。

 この写真だけのチラシを見て、画廊に行きたいとか、絵を購入したい、とか思うでしょうか? 写真カタログのように、何十ページにも渡り、延々と写真が印刷されていても、普通の人は画廊に行きたい、とは思わないでしょう。

 通常のチラシの場合、チラシを見た人に画廊に来店してもらうためには、それなりの「仕掛け」をする必要があります。

 例えばチラシの中で、「来店すれば、日本でここにしか置いてない絵画が見れます」とか、「来店してくれたら、もれなく○○○○○を差し上げます」といった、「エサ」を仕込む訳です。

 チラシを見た人に、「来店するメリット」をアピールすることによって、「この画廊は面白そうだから、ちょっと立ち寄ってみようかな」という気持ちにさせる訳ですね。

 こうした「チラシのストーリー」において、「絵の写真」は補助的な役割になります。あくまでも、来店に誘導する「エサ」(マーケティング用語では「オファー」と言います)が、チラシを見た人に訴えかけるのであって、決して「絵の写真」が来店を促すものではありません。

 ホームページも同じです。

 ホームページの画像は、あくまでも「ホームページのストーリー」を補助するものです。画像を何百枚も掲載しても、決して来店にはつながりません。

まずは、ホームページの目的を考える。
 ↓
そしてその目的を実現するための、「エサ(オファー)」を、ホームページ上に明記する。
 ↓
その「エサ(オファー)」を補完するために、効果的な画像を活用する

というのが、最も効果的な画像の利用方法です。

 繰り返しになりますが、画像は「手段」です。

 画像を見せることが目的ではなく、ホームページの目的を実現するために、どんな画像を、どのように利用すればよいのか、それが腕の見せ所になって来ます。

 こんな風に考えて、画像の利用方法を見直してみると、きっとヒントが沸いてくると思いますよ。