第5回 ホームページで売上500万円?
(2005/11/11)

 会員の社長さんに、ホームページに関しての目標をお伺いする機会があったのですが、「月商500万円」をホームページだけで実現したいという、ご意見というか、ご希望を頂きました。

 こちらの会社は、社員2名で年商1,500万円の会社さんでした。月商500万円と言うことは、年商で6千万円、400%アップということになります。

 気持ちは分からないではないのですが、月商500万円というのは、実は相当ハードルの高い数字です。

●500万円の売上げに、何アクセス必要?

 ところで、ホームページにアクセスした人のうち、何パーセントくらいの人が商品を購入してくれるか、ご存じですか?

 もちろん商品や価格によって上下しますが、一般的にはアクセス者のうち、実際に購入する人の割合は、0.2%〜0.5%といわれています。

 平均購買単価を3,000円とすると、500万円の売上げをあげるためには、1,667人がホームページ上で購入する必要があります。
(5,000,000÷3,000)。

 1日あたりで計算すると、毎日55人の人が注文してくれなければいけません。
(1,667÷30)

 ここで先ほどの、アクセス者の購買率を0.5%とすると、55人のお客さんを獲得するためには、一日あたりのアクセス数が、11,000人ということになります。
(55÷0.005)。

 多くのホームページは、1日あたりのアクセス数が多くても100位でしょうから、11,000のアクセスというのは、ほとんど不可能な目標と言うことになります。ホームページだけで月商500万円、というのは、このように中々どうして、難しい課題なのです。


●購買率(CR)が大切

 さて、上の例では、二つの変数が出てきました。

毎日のアクセス数 : 11,000アクセス
アクセス者の購買率: 0.5%

 多くの方は、アクセス数のアップについては大変熱心なのですが、それよりもこの「購買率」の方が重要な数値です。

 というのは、この購買率が「0%」では、いくらアクセスを増やしても売上げに結びつかないからです。

 逆にアクセスの方は、広告費を支払いさえすれば、何アクセスでも達成する事が可能です。

 つまり、「アクセスはお金で買える」のですが、「購買率はお金では買えない」ため、色々と試行錯誤してこの比率を高めていかなければいけません。いくら広告費を払ってアクセスを増やしても、この購買率は低ければドブにお金を捨てるようなものなのです。

 ところでこの購買率のことをインターネットでは、

コンバージョンレート (CR:Conversion Rate)

と呼びます。

 ホームページへのアクセス者のうち、何人が商品購入してくれたかの数値です。インターネットでは、最も重要な指標の一つですので、この機会に覚えておいて下さいね。


●実店舗との比較

 例えば、通常の実店舗を考えてみましょう。立地や取扱商品によって異なりますが、例えば10人来店して1人が商品を買うと仮定します。この場合は、

購買率10%

ということになります。

 もちろんこの数値は、取扱商品や立地によって上下するでしょうが、まあこんなもんだと思います。

 ところが、ホームページで購買率(CR)10%というのは、ほとんど驚異的な数字です。

通常は、      0.2%〜0.5%くらい
良くできたサイトで、1.0%〜2.0%程度
5%を越えていたとしたら、相当優秀なサイト

と考えてもらって良いです。

 実店舗に比べて、インターネットではホームページを訪問するのが非常に簡単です。マウスのクリック1つで、サイトアクセスできるということは、逆に冷やかし客がたくさん訪れるということになります。

 従って、アクセスが増えても、ちっとも購買に結びつかないということは良くあるケースなのです。

 実店舗では10人に1人が商品を買ってくれるとしても、ホームページでは200人に1人しか買ってくれないのです。

 それでは、どうすればこのコンバージョンレートを向上させる事ができるんだ、という話になりますが、続きは本コーナーで色々とお話しして行きますので、どうぞお楽しみに。