第3回 ホームページと実店舗の違い
(2005/10/28)

●ホームページと実店舗の違いとは

 ホームページと実店舗では、お客さんの動向に違いがあります。まったく同じノウハウで商売を行っても、両方が成功するとことはありません。このホームページと実店舗の違いについて理解することも、ホームページをビジネス活用するためのノウハウの一つです。

 では、ホームページと実店舗はどのように違うのか、まず街の婦人服店を例にして考えてみましょう。

 ある婦人服店では、1時間に10名の人が来店します。そのうちの1人が15,000円のセーターを購入したとしましょう。1日に10時間、店を開いていたとすると、

 1日あたりの来店客数
 1日あたりの購買客数
 顧客1人あたりの購買単価
 来店客数に対する購買率
 :
 :
 :
 :
100名
10名
 15,000円
10%

という数値が算出されます。これは仮定の数字なので実際の数値とは多少異なると思いますが、この数字をホームページのそれと比較してみましょう。


●顧客単価の相違

 ホームページと実際の店舗との最も大きな違いは、顧客1人あたりの購買単価です。ホームページは実店舗と違って、商品を手にとって見ることができません。そのため、最初のうちは高額な商品は中々売れないのです。初めてアクセスした人は、全く購入しないか、購入するとしても低価格の物を購入します。

 実店舗であれば、セーターを「実際に手にとった」上で購入決定をしますから、1万円以上の商品でも、全く問題ありません。

 しかしながら、実際に商品を手に取る事ができないインターネットでは、どうしても「騙されるのでは?」という不安が先に立ち、高額な商品はなかなか売れないわけです。

 2回目以降のリピート購買であれば、1回目の購買で実績を積んでいますから、お客さんも安心して高額商品を購入してくれます。しかし、初めてサイトにアクセスした新規のお客さんに、高額の商品を買ってもらうのは相当に大変です。

 したがって、実店舗で1万円以上の商品が売れるからと言って、ホームページで同じように高額な商品が売れると考えるのは早計だということになります。


●購買率の相違

 2つ目に違うのは、来店客数に占める購買者数の違いです。先ほどの実店舗の例では、10人来店して1人がセーターを買うと仮定しました。購買率「10%」というわけです。

 ところが、ホームページで購買率10%というのは、ほとんど驚異的な数字です。通常は、0.2%〜0.5%くらい、良くできたサイトで1%〜2%程度です。5%を越えていたとしたら、かなりの優秀サイトと考えて良いでしょう。

 実店舗に比べて、インターネットではホームページを訪問するのが非常に簡単です。マウスのクリック1つでアクセスできます。しかし、冷やかし客もたくさん訪れます。アクセスが増えても、ちっとも購買に結びつかないということは良くあるケースなのです。

 実店舗では10人に1人が商品を買ってくれるとしても、ホームページでは200人に1人しか買ってくれないのです。


●ホームページにおける顧客動向への対応法

 このように、お客さんは、ホームページ上で「実店舗」と違う行動パターンをとります。このホームページの行動パターンを前提にすると、下記対応を取るのが効果的です。

 1つ目は、新規顧客には低額商品、リピーターには高額商品を売るようにサイト設計を行うことです。当然、リピート客を誘導するための仕組みも構築する必要があります。

 2つ目は、0.2〜0.5%の購買率を引き上げるようなサイト設計を行うことです。購買率が上がれば、売上げに直結しますから、効果は大きいです。

 ホームページをビジネスに活用するに当たっても、このお客さんの動向の違いをしっかりと把握しておいてください。実店舗と同じという感覚で始めても、ホームページでのビジネスが成功することはないのです。