レポート 〜成功する会計事務所のセオリー

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「仕事は盗め」は間違い

(16/09/30)

   ある会計事務所の所長がこんなことを言っています。

「私のコピーがいたら、もっと事務所は成長するのに・・・」

 自分と同じ能力で、自分と同じように仕事ができて、自分の気持ちも分かってくれる存在が欲しい。

 でも、それって本当でしょうか。

 とても優秀な人間で、所長のコピーのような存在を作ることができたら、どうなると思いますか?

 答えは簡単です。“独立”します。

 たとえ事務所にいても、所長と同じように自由を求めたり、「楽になりたい」と言い出したり、他の誰かがやってくれないか、といったことを考えるかもしれません。

 このような思考を持つ所長の共通点として、「仕事は盗め」という感覚で教育しているという点が挙げられると思います。

 これは大きな間違いです。

 なぜなら(先にも書きましたが)優秀な所長よりも後から来て所長の仕事ぶりを盗むことができるような人材なら、その人は所長より優秀であると言えるでしょうし、得てして志が高い人が多いです。

 そんな人材が、楽をしようとしている所長の側に居続けるとは少し考えにくいですね。

 おそらく、このような所長は「仕事は盗め」の考えで、何人もの人材に去られてしまい、「良い人材がいない」といつも言っているのでしょう。

 実は「仕事を盗め」は“横着しているだけ、楽をしているだけ”とも言えそうです。

 業務を標準化するのは誰でも面倒です。

 業務標準化を進めようとすると、既に自分が簡単にできることをわざわざ分解して新人でもできるようにして、それをマニュアル化して・・・といった作業が必要になります。

 通常の業務で一杯になっている上に、これらの作業をするのは難しいでしょう。

そして、思考停止状態になって横着をしてしまう・・・。

 でも、本気で事務所を成長させたいと思っているなら、そろそろ重い腰を上げないといけません。

 既にお気づきの方も多いと思いますが、面倒なことをせずに済む楽な方法はありません。

 成功する事務所は、業務標準化したほうが確実に早く成長し、人に依存しない強い組織になることを知っています。

 「仕事は盗め」はもうやめて「業務標準化」を目指しましょう!