レポート 〜成功する会計事務所のセオリー
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職員のモチベーションを高める方法とは?
(15/12/28)

 会計事務所の成長において、職員の仕事に対する“モチベーション”はとても重要です。

 特に、ルーチン業務が多い仕事なだけに、ほっておくと、ただ同じ仕事を繰り返すだけになりがちです。

 いかに職員の「やる気」を引き出すのか?所長のリーダーシップが問われます。

 職員のモチベーションを高めることを考えるのにあたって、知っておいた方が良い理論に「ハーズバーグの動機付け・衛生理論」があります。

 ハーズバーグは、人間には「不快を回避する欲求(衛生要因)」と「成長し自己実現を求める欲求(動機付け要因)」の2つがあると考えました。

 「不快を回避する欲求」には「会社の経営方針」「上司の管理方法」「給与」「対人関係」「作業環境」などがあります。

 これらに問題があると、人は「不満」を感じます。仕事に対するモチベーションは下がります。ただし、問題が無いからといって満足を感じることはありません。

 給与が低いことは不満につながりますが、給与を上げたとしても不満が無くなるだけで、積極的なモチベーションにはつながりません。

 「不満」の反対は、「満足」ではなく「不満ではない」ということです。

 人は病気になって初めて健康のありがたみを感じますが、健康の時にそれを感じることが少ないのと同じです。


 一方、「成長し自己実現を求める欲求」には「達成」「承認」「仕事そのもの」「責任」「昇進」などがあります。

 これらが満たされると、人は「喜び」を感じます。仕事に対するモチベーションは上がります。

 ただし、満たされないからと言って、不満に感じることはあまりありません。

 「喜び」の反対は、「不満」ではなく「喜びがない」ということです。

 たまたま入ったお店の抽選くじで海外旅行が当たればとても嬉しく感じますが、当たらなかったとしても不満を感じることがないのと同じです。

 この2つの要因を別々のものとして捉えることがポイントです。

 職員1人1人に対して、仕事に対する「不満」「喜び」があるかどうかを考え、「不満」があれば取り除き、「喜び」がなければ「どうすれば喜びを感じられるか?」を考えることが大切です。