4.成功するM&Aのポイント

第14回 決断は早ければ早いほどよい

 M&Aの決断をタイミングが手遅れになってしまうと、一方的に焦ってしまい、不幸な結果を招いてしまいます。

 業務や事務所から離れる不安や寂しさを考えると、ついつい決断を先延ばししてしまいがち。ましてや、今現在、所長として事務所を回していける状態ならばなおさらです。

 しかし、M&Aの決断が早ければ早いほど、余裕をもった準備期間を確保できます。交渉も安心して進められ、成功できる可能性も大幅に高くなります。

 売上が順調で、事務所が安定している状況だと、M&Aについて考えないものですが、そんな順調なときのほうが、条件においても有利に進められるため、むしろM&Aを決断すべきときなのです。


専門家に任せて希望を打ち明ける

 M&Aでは、先生方が想像する以上に、決めるべきことがたくさんあります。

 まず、M&Aによって何を実現したいのか、希望をまとめておく必要があります。そして、それを専門家に打ち明けましょう。

 金銭面については、少し話しづらい部分もあるでしょう。しかし、ここをあいまいにすると後で必ずトラブルになります。

 専門家にすべて任せて、細かい条件(「自分の車や絵画等は譲渡しない」「書籍は引き継がない」など)でも、条件をすべて明確にして契約書面に明記することで、トラブルを回避できます。