事業承継対策において、相続税額を抑えるため、自社株評価の引き下げに取り組まれている先生は多いかと思います。 しかし、評価引き下げのための手法は数多くありますが、状況によっては適していない手法もあり、使える手法をすべて使ってもまだ高額な相続税額になってしまうというケースもあるのではないでしょうか。 そういったケースでも、なんとかクライアントの要望にお応えするための方法として、「安定株主」に一部の株を持たせてしまい、後継者が承継する株式自体を減らすという手法があります。 もっとも、「安定株主」を導入するといっても、どのような者にどれだけ株を持たせ、経営権が脅かされないためにどのように付き合い、万が一の場合にどのように株主関係を解消させていくのかなど、非常に多くのことが思い浮かんでくることかと思います。 さらに、単純に「渡す」といっても、譲渡所得税や贈与税等の課税を可能な限り最小化できない限り、受け取る側も容易に受け取ることはできません。 こういった、安定株主による事業承継対策を導入する際に考える必要があるほぼすべての実務を「同族関係者」「従業員持株会」「財団法人」「中小企業投資育成会社」という安定株主の候補になり得る4つの主体ごとに解説しました。 特に、「従業員持株会の需要と供給のバランスの取り方」「従業員持株会を導入する際の有価証券報告書提出義務の回避法」「中小企業投資育成会社は、安定配当さえしていれば経営に口出ししない」など、実際に導入する際に使える情報が満載です。
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