近年、巷では、「家族信託」というスキームがさまざまなことに使えると、各種セミナー等で取り上げられているケースが増えてきているように感じます。 それらで取り上げられるのは、主に、「家族信託ではこれまでできなかったこんな難題が解決できる」「家族信託はこんなにメリットがある」といったことばかりで、家族信託の有用性に着目した情報だけが独り歩きしている感があります。 しかし、当然のことながら、家族信託にはメリットもあれば、デメリットもあります。例えば、家族信託を組めば、遺言のように「悪魔の甘いささやき」で簡単に内容が変えられてしまうことは防げますが、他方で、信託条項の内容の大部分が登記事項となっていて公開されてしまう点も……。 そのような、メリット・デメリットと、結局、家族信託を使うべき場面とはどのようなものなのかについて、家族信託に造詣の深い弁護士の遠藤先生に、「成年後見」「遺言」と比較していただきながら、家族信託でしかできないことを解説いただきました。 第1巻では、「成年後見」「遺言」との違いから家族信託の特徴を浮き彫りにし、家族信託を活用すべき代表例も取り上げていただきました。それぞれの制度でしかできない事柄などを語っていただいています。 第2巻では、家族信託のメリットとデメリットをまとめ、家族信託の利用を検討する際に考えなければならない実務上の諸問題等が分かります。 「家族信託は、成年後見と遺言のすき間を埋めるために使う」と遠藤先生はおっしゃいます。本当の制度の使い方を知り、実務のご参考としてください。
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