いま、信託を活用した相続対策スキームが一つの流れとしてもてはやされています。 しかし、本当のところ、その効果や税務上のリスクについてまで踏み込んだ検証はされていないのが実情です。 信託スキームの検証には、信託の仕組みはもちろんですが、信託課税についての理解が必要となります。その上で、現在ではさまざまな形で組成されているスキーム一つひとつにそれらを当てはめていく必要があります。 ところが、実際には税務上の取り扱いについて明文化されていない、いわゆるグレーな部分が数多く存在します。 われわれ税理士としては、これらすべてのことを理解するのは非常に大変です。 しかし、現行法上明らかに問題のある、疑義のあるスキームについては、その実行について顧客に対して助言をしていかなければなりません。 そこで、数ある信託スキームの中で、現行法上使ってはいけない4つの信託スキームについて、仕組みから検証、判例や条文などの根拠を示しながら講師の見解をご紹介していきます。あわせて、使ってもいい信託スキームについても同様に解説していますので、先生方にとっては、使っていけない、使っていい それぞれの信託スキームを区別することができます。同時に、信託課税についても理解できてしまいます。
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