相続対策として簡単かつ効果のあるものとして「養子縁組」があります。 他の対策と比べても、手続きの簡便性と即効性から見れば、極めて優れた対策と言えます。相続税の基礎控除額が増加し、超過累進税率が緩和されることから相続税が軽減されます。 しかし、「養子縁組」の制度については、税法と民法での取り扱いが異なる点はすでにご存じかと思われますが、特に相続権や代襲相続の有無、法定相続分については非常に分かりづらくなっています。これらの判定は、相続税の総額を計算する際に重要な要素となり、ここを誤ると相続税額に大きな影響を及ぼします。 さらに、2割加算制度の改正や遺留分の取り扱いなど留意すべき点もあります。 これらのことからも分かるように、養子縁組は簡単に実行でき、かつ大きな効果をもたらしますが、一方で他の相続人への影響があることも十分に考慮しなければいけません。 そのためには、この養子縁組が相続においてどのような影響を及ぼすのか、きちんとした理解を持たなければ、相続業務に対応していくことは極めて危険なことです。 「第1巻 代襲相続?法定相続分? 対策上の留意点」 「第2巻 対策による節税効果と留意点」の2巻にわたり、さまざまなケースから養子縁組による代襲相続や法定相続分についての確認と、節税効果について検証いたしました。
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