「無対価取引」というとあまりなじみのない単語のように思えますが、簡単に言いますと「合併・分割の対価を交付しない組織再編」「新株を発行しない合併・分割」という言い方ができます。 この無対価取引、最近事例が増加しているそうです。 単純に合併するだけであれば大きな課題はありませんが、合併をするなら「適格合併」にしたい、という狙いがあります。 しかし、同一の者による完全支配関係がある法人相互の関係がある時は、その法人同士も完全支配関係があるとされており、同一の者による完全支配関係がある場合の無対価合併については、税務上、適格合併となるために別途特別な要件が課されているのです。 この別途の特別な要件が難解であり、法令や解説書を見ても、理解がしづらく、誤った解釈をしてしまうことが多いそうです。 また、分割に関しても、そもそも「分社型分割」「分割型分割」のどちらに該当するのか。そしてその場合の要件をどう解釈し、判断すれば良いのか、難解な点となっています。 そうした事項を体系的にきっちりと理解し、条文の内容をどう解釈すれば良いのかを、組織再編の実務に定評ある太田達也氏に解説いただきました。 オーナー会社においては、株主が同一の人物で完全支配している、ということもそうめずらしいことではありません。そのような状況に遭遇した時のために、参考にしていただけるとともに、無対価取引をすっきりと頭を整理するために、非常に有効な講義となっております。
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