「経営革新等支援機関」。 制度発足から多くの方の関心を集め、認定数も増加する一方のこの制度。その7割が会計事務所及び税理士先生というのですから、会計事務所業界での関心の高さがうかがえます。 一方、ではこの看板を掲げるだけで仕事が増えるのか。相談が増えるのか。今までさまざまな方からお話を伺ってきましたが、どうもそのようではないようです。 ルートとしては、金融機関が借入金の返済の滞っている先、債務超過先に対して、このままでは危ないので、支援を行いたい。そこで、経営革新等支援機関の力を借りて、再生業務に乗り出していく、という形が一番多いようです。 当然のことながら、金融機関としては再生を手掛けることができる方を選びたい。そうなると、ある程度経営支援のノウハウを持っていなければならないわけです。 目に見える経営支援のノウハウというのはいったい何なのか。それが、今回ご紹介する「予想貸借対照表」の作成です。 5〜10年先を見越して、その会社の貸借対照表を考える。非常に難解に感じられるこの作業は、先を見越す目が必要となりますので、必然的に再生過程を追うことになります。 そして、金融機関の方が見ても、実に分かりやすい。何年先はこのような財務状況になるのか、ということがひと目で分かるからです。 この作成方法を話していただいた本講演。「先のことなど見通せるはずがない」。その通りです。しかし、まずは行き先を決めないと、何も始まらないということなのです。
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