これだけは押さえておきたい・・・
(2012年1月)


中小企業で会社分割が増えている理由がある!

相続でも使えた!
利用価値の高い会社分割
公認会計士
佐藤 信祐 氏

 中小企業で会社分割を活用するケースが増えています。現在のように、景気が後退している局面では、規模の経済や、合理化の側面から合併が増える、というのは分かるのですが、なぜ、会社分割が増えているのでしょうか? そして、どんな使い方をしているのでしょうか?

 中小企業で使える会社分割のパターンは3通りです。

分割する時? (1)会社を売るとき (2)借入金を切り離すとき (3)相続対策

 例えば、相続対策です。事業承継対策として、相続人に長男と次男がいる場合です。社長さんが経営している会社は1つ。どちらに継がせるか問題です。しかし、例えば、建設会社で、建設部門と不動産部門がある場合、それを分割して2つの会社にすれば、兄弟それぞれが社長として継ぐことができます。

 また、相続税対策もあります。例えば、利益を100上げている会社があるとします。会社分割で、利益を90上げる会社と10上げる会社に分ければ、利益が10の会社は、類似業種比準価額の計算要素である利益金額が減りますから株価が下がることになります。

 このように、さまざまな中小企業の経営の局面で、会社分割を利用すると上手くいくことがあるのです。どんなときに使えるのか? そして、その場合、税務上どんな問題があって、その解決はどうなるのか? プロとしてぜひ、ノウハウにしてください。


「中小企業で会社分割が増えている理由がある!
分割の税務 ここに注意」(全3巻)

佐藤 信祐 氏
◆プロフィール◆
1999年明治大学経営学部卒業。01年公認会計士登録。現あずさ監査法人、税理士法人トーマツを経て現在、公認会計士・税理士佐藤信祐事務所を開業。日本国内の企業再編に係る税務・会計に詳しく、第一人者とも言える。関連著書多数。