これだけは押さえておきたい・・・
(2011年10月)


否認リスクが高い実務

資本取引はややこしい

佐藤 信祐 氏

 確かに、顧問先のお客さまの中で資本取引が発生することは、そう多くはないと思います。しかし、だからといって、全然ないか? というとそんなことはないはずです。

 その資本取引ですが、正直ややこしい、というのが本音ではないでしょうか?

 それは、会社法の施行により考え方が変わったからであり、複雑な条文に実務も混乱しました。

 平成18年の税制改正で税制が整理され、平成22年改正でようやく取扱が明確になり、問題となっていた点の見解もほぼ固まったと言われています。

 それゆえ、資本取引の税務を理解するには、商法時代の考え方と税務、会社法施行で変わった考え方、そして、平成18年・22年の税制改正を最低限押さえる必要があります。また、その間の判例もあり、さまざまな見解もあります。

 そこで、会社法から税法、通達、判例、逐条解説、論文まで含めて、公認会計士・税理士の佐藤信祐氏に解説いただきました。佐藤先生といえば、組織再編税制なのに、なんで資本取引かというと、現物出資は、組織再編税制の一貫として捉えられるているところがあるからです。また、組織再編税制の活用は大企業から中堅企業、中小企業へと利用が拡大してきましたが、大企業、中堅企業は資本取引は少なくありません。従って、経験が豊富。税務が固まっていないころから実務を経験してきたからです。

 実際、税務が固まったといっても、否認されるのではないか? というリスクが常に伴います。

 そこで、佐藤先生の個人的見解も含めて

第1巻 増資・減資 剰余金の配当
第2巻 自己株式
第3巻 現物出資 DES 現物分配 種類株式

を解説いただきました。実務でぶつかっての初めての確認ですと、なかなか手ごわい分野です。

 ぜひ、今のうちにご確認ください。


「否認を受けるリスクを最小化する
資本取引の税務」(全3巻)

佐藤 信祐 氏
◆プロフィール◆
1999年明治大学経営学部卒業。01年公認会計士登録。現あずさ監査法人、税理士法人トーマツを経て現在、公認会計士・税理士佐藤信祐事務所を開業。日本国内の企業再編に係る税務・会計に詳しく、第一人者とも言える。関連著書多数。