古田土式新規開拓講座
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第83回 社員のことをレベルが低いと思っているあなたへ

 先日。船井総研主催の士業向けセミナーの講師をやらせていただきました。『組織化』というテーマのもと、200名に対してお話させていただきました。恐らく、もの凄い影響を与えられたと思います! なぜなら、私が最高に楽しめて話できましたから。

 やっぱり、業界違えども、商売の本質は変わりません。

 そのセミナーの冒頭に1つ質問しました。その質問に対する、私の答えと会場のみなさんとの答えが完全に食い違ったのでめちゃくちゃ面白かったです。

 どんな内容か興味のある方は、こちらからどうぞ。

 で、せっかくの機会なので船井総研の中でも会計事務所向けのトップコンサルタントの方に質問しました。

私   :「今の会計事務所の最大の悩みってなんですか?」
コンサル:「圧倒的に人ですね〜」

 そりゃそうですよね。【人】で困ってない会社は、社員がいない会社だけです。どこででも困っています。もちろん古田土会計でもです。

 ということで、今回からは当面【人】に関してお話していこうと思います。

 まずは、古田土会計であった過去の実例に関してご紹介させていただきます。

 40代の女性(2児の母)が、古田土会計の考え方と取り組みにもの凄い共感され、面接もほぼスルーパスでした。あまりにもパワフルな女性なので、入社前から「常務級が入社してくる!」と、社員も楽しみにしていました。

 そして、いよいよ入社。入社した当初は、中小企業を元気にするというビジョンを実現させるために目がキラキラしていました(正確には、ギラギラですね)。

 しかし、入社から3か月後には、目に力なく・・・、最終的には、「子供がさみしそうなので、辞めます・・・」。あなたは、なぜこの女性が辞めたのか分かりますか?

 答えは簡単です。単純に簿記を勉強していなかったんです。つまり、仕事の中身をしっかりと理解していなかったんです。

 あなたは「そりゃ、そうなるだろ!」と言われるかもしれませんね。さすがに、これは極端な事例ですが、こんな事例は会計事務所業界に良くあるケースです。

 社員が会計事務所を辞める理由のひとつに「ちゃんとやり方を教えてくれない」があります。

 われわれのスタンスからしたら、「それくらい、自分で調べろ!」と言いたいですが、現実はそう上手くはいかない訳です。

 古田土会計は、現在総勢160人もいますから、いろんな「え〜、そりゃないでしょ〜」みたいなことが日常茶飯事です。とは言っても、それを放置している訳ではなく、最近ではドンドン改善に向かっています。

 その秘訣が、業務マニュアルの活用にあります。

 現在の古田土会計では、新しく入社したスタッフは業務マニュアルとチェックリストを見て、仕事にあたっています。おかげで昔のようなありえないミスはドンドンなくなりつつあります。

 「何でうちの社員は分からないんだ」と言っている間は、そう言っているあなたが悪いと思った方が良いです。

 そんな風に嘆く暇があるなら、マニュアルの1つでも作ってみてください。

 いくら口頭で注意しても、あいまいな指示は伝わりません。マニュアルとして明確に【形】にするから伝わるのです。