古田土式月次決算活用講座
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第22回 古田土式月次決算書
「決算の着地を予想する方法」

 中小企業の経営者が、決算月が近づいてくると、気になること。それは、「今期は、黒字で決算を迎えることができるのか・・・」、「税金は、いくら支払わなければならないのか・・・」、「税金を抑える方法は何かあるのか・・・」など、その期の決算がどのような着地を迎えるか? です。

 それに対して、「まだ、先々月の試算表すらまともにできていないのに、決算の数字なんてわかるわけないでしょ・・・」と、心の中で、思っていないでしょうか。

 2か月前の試算表もできていないのに、決算の着地が読めない・・・

 これは、本当でしょうか?

  実は、そんなことはありません。

 なぜか。

 社長は、1円単位まで正確な税金が知りたいわけではありません。今の預金残高で、支払が可能なのかを知りたいのです。

 ですから、万円単位まで理解していれば十分です。

 そこまでの着地を予想してお伝えすれば、よいのです。

 では、どう予想するのか。

 実は、以下の3つだけ分かっていれば簡単に予想できてしまいます。

 その3つとは、

(1)売上高
(2)粗利益率
(3)固定費


です。

(1)は、聞かないとわかりませんので、決算月までの売上予測をいただきます。
(2)は、大きくぶれることはないと思いますので、年平均を使用します。
(3)は、固定費ですので、直近3か月の平均固定費を使用します。

 こちらを元に月次推移の損益計算書を作成し、あとは、社長に話を聞きながら細かい部分を詰めていきます。

 そうして、予想利益さえ出てしまえば、おおよその税額もお伝えできてしまい、社長は先が見えて、打つ手を考えることが可能になるのです。

 この打ち合わせを『決算前検討会』と称し、毎年のイベントとしてしまいます。

 それだけで、社長は喜ぶこと間違いなしです。

 とても簡単なのに、とても喜ばれる『決算前検討会』。取り入れてみてはいかがでしょうか。