古田土式月次決算活用講座
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第20回 古田土式月次決算書
「中小企業はなぜ固定資産を持つべきでないのか」

 先生は、売掛金のサイトは短く。買掛金のサイトはできるだけ長く。ということは、ご存じだと思います。

 では、売掛金のサイトが具体的に短くなった時に、お客様の手元にどれくらいのお金が残り、お客様の資金繰りがどれくらい楽になるか、具体的に数字でお伝えしたことは、あるでしょうか。

 これが、未来のB/Sをイメージしていただくことの一つになります。

 これにより、お客様は数字をもとに、明るい未来をイメージすることができるのです。

 そして、その明るい未来を達成するために、何をすべきなのかを考え行動してくださるようになります。

 ただし、これをB/Sだけで説明しようとすると大変です。

 そこでおすすめなのが、古田土会計で活用している「資金別貸借対照表」です。

 資金別貸借対照表は、お金に4つの色をつけて、資金つまり財務のバランスを見る表です。B/Sと違い、各科目の残高しか表示していませんので、数字も少なく、見やすいです。

 今回のようなケースですと、「売上仕入資金の部」というサイトの勝ち負けを見る場所を分析することになります。

 売上仕入資金にある、現在の売掛金・買掛金の数字を理想の数字に書き換えることにより、理想を達成した場合に、どれだけお金が残るようになるのかが、ぱっとわかります。

 字も数字もたくさん載っている表よりは、わかりやすいと思います。

 そのほか、

・固定資産を持っているときの資金バランス
・借入金は、長期か短期か
・在庫が多いとなぜ資金を圧迫するのか

などを理解するのにも向いています。

 資金別貸借対照表を使いこなせると、会社の財務がわかり、何処に手を打てば会社がよくなるかが理解できるようになります。

 資金別貸借対照表を理解したいのでしたら、『資金会計理論』 島田勝弘氏がおすすめです。

 一度お読みいただくことをおすすめします。