第5回 決算書から  自社の経営体力の基本「6要素診断」
生産性について

 前回で [収益性] を解説しました。
 今回は [生産性] の中味・内容について解説をしていきます。


 生産性とは
生産性とは 経営資源と呼ばれる「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を会社の中に投入し、いかにローコストでスピーディーに商品を仕入れ(作り)、それをどれだけ効率よく販売し得たかをみるものです。



生産性は決算書の
「損益計算書」と「貸借対照表」から見ています。
その関係は下図に示す通りです。





まず(1)の 一人当り付加価値 です。
 これは社員一人当りの付加価値を稼ぎ出す力を見るものです。
 《固定費+利益》を生み出しているかを明らかにします。
 算式は
  付加価値  (円) です。
従事員数

次に(2)の 一人当り営業利益 です。
 社員一人当りの本業活動により得られる成果を示します。
 つまり利益を生み出したかを見ます。
 算式は
  営業利益  (円) です。
従事員数

次に(3)の 一人当り経常利益 です。
 社員一人当りの事業活動全体により得られる成果を示します。
 この従事員数(役員数+従業員数)に見合った経常利益を上げていることが重要です。
 算式は
  経常利益  (円) です。
従事員数

次に(4)の 平均従業員給与 です。
 賃金水準の高さを示します。
 社員の給与は付加価値から支払われるので、「付加価値の従業員への分配」と見ることができます。
 算式は
  人件費(月額)  (円) です。
従業員数

最後に(5)の 固定資産投資効率 です。
 設備がどの程度効率良く稼いでいるかを示します。
土地建物や設備などの固定資産の利益貢献度はどうか、効率的に稼ぎ高を生み出しているかどうかを調べます。
 算式は
  付加価値  × 100  (%) です。
固定資産

以上の算式に則って、自分の会社の [生産性] 状態を把握してみたらどうでしょうか。


次回は [資金性] について、解説をします。





Produced By
「決算診断」プロス
株式会社プロス