第66回 「マネージメント・パワー」で強くなる社長の経営力!!

 数多くの中小企業の社長は、過去に景気が良かった時も悪かった時もありましたが、 今以上に厳しく辛い時代はないのではないでしょうか。

 バブル崩壊後に訪れた構造不況、ITに象徴される社会システムや人々の価値観の激変、経済のグローバル化による外国企業との競争激化・・・・等々、そうした時代の荒波を次から次へと受け、転覆寸前なのが中小企業であり、それを必死の思いで舵取りをして持ちこたえているのが社長たちといえます。

 時代に取り残されてはいけない。競争にも勝たなければならない。多くの社長たちは、そう考え、時代に対応する努力を惜しまず、経営改善に取り組んできています。しかしながら、それは簡単なことではありません。何しろ、中小企業の7割から8割が赤字決算の 時代なのです。

 しかし、残りの2割から3割の会社が黒字経営を続けていることもまた事実です。そのような会社の社長のお会いすると、今の厳しい経営環境のことは話題に上りますが、少しもへこたれてはいません。100年に一度の不況という荒波が押し寄せてきても怖気づくことなく、冷静に舵を切って危険を回避する船長のように、的確な判断と勇気を持って進むべき健全経営を続けています。

 そうした社長に共通するのが、パワーがあることです。組織を統率するパワー、自分と社員の価値観を統一させ、やる気を引き出すパワー、社員が働きやすい環境を創り出すパワー、もっといえば人間としての少しのことではへこたれないパワーがあることです。

 事業を成功させるためには、商売のセンスが必要なことはいうまでもありません。消費者のニーズをより早く的確に察知し、それに合った商品やサービスを適正な価格で提供する。また、消費者へスムーズに提供するための、広告・宣伝、販売・流通システムの構築も適切に行い、設備投資やコスト管理などの財務面にも目を光らせていくことです。

 しかし、商売のセンスだけでは事業を継続的に成功させていくことは難しいのです。何を目的に事業を行い、会社は社会に対してどのような役割を果たせるのか、自分自身に問いかけ、確固たる理念を持つ。それを社員と共有し、会社の進むべきベクトルを一致させる。それと同時に組織、人事、待遇にも配慮し、社員のやる気を引き出す環境をつくる。 そうした社長の経営力が必要なのです。これが「マネージメント・パワー」なのです。

 社長の思い、価値観が「マネージメント・パワー」であることはお分かりいただけたかと思います。では、その「社長の思い、価値観」はどのようにして知ることができるでしょうか?もちろん、社長の心の中に確固としてあるものですが、大きな思いとして持っておられるのではないでしょうか。経営に活かす「マネージメント・パワー」を知るためには自問自答して自ら日々振り返りを重ねることが重要です。一つ一つの質問が、日々の経営で自分はどうだったか、これからどうしていくべきかについて社長に語りかけます。年に一度、歩んだ道を振り返り、そして未来へと歩き出すスタートを作るのです。







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